Moon #17
二人ともよく笑ってたせいか・・・
急に静まり返った部屋に、一気に孤独になる。
「明日は映画のロケじゃないし・・・
「明日は映画のロケじゃないし・・・
なんか・・・ 見よっかなぁ・・・」
しんとした部屋の中 心細く感じられて、思わずテレビをつける。
しんとした部屋の中 心細く感じられて、思わずテレビをつける。
・・・と、テレビの横に振り付け確認用のDVDがあるのを見つけた。
何気なく、再生してみると・・・
「あっ・・・しょぉちゃんっ!」
逢いたくてたまんない人が、Tシャツとジャージのラフな格好で踊ってる姿。「あっ・・・しょぉちゃんっ!」
汗で濡れた髪・・・
真っ直ぐな、真剣な瞳・・・
カッコいいなぁって見惚れているうちに、あっという間に鼓動が速くなる。
いつのまに・・・
いつのまに・・・
こんなに好きになっちゃったんだろ?
おれ、もぉ翔ちゃんしか見えなくて、翔ちゃんしか欲しくないよ・・・
・・・だからさ、多分こんなの、もう興奮しないんだって!
なんだよ、ベッドの下にAVってさ。
中学生かっつーの!
おれは翔ちゃんからの最後のサプライズの品であるソレのパッケージの両面、しげしげと眺める。
「・・・女のひとは女のひとで、好きなはずなんだけどなぁ~。
・・・あんま観たいと思わないや。」
実際、手元のこのパッケージよりテレビに映る翔ちゃんのダンスに目を奪われる。
・・・そうだ。あとでこのAV、翔ちゃんのバッグの中に入れといてやれ。
ジム用のがいいかな? それとも、いつもの・・・ ふふふ。
そんなイタズラを考えつつ、汗を流しながら踊ってる翔ちゃんをうっとりと眺める。
あぁ~・・・ マズいな、これきっと、朝まで見ちゃうパターンだな。
も少し見てたいけど、明日の朝も早いしなぁ・・・
・・・キリのいいところでディスクを取り出すと、テレビを消した。
→#18へ