Moon#15
洗面所の3段目の引き出しの中にはおれが前から欲しがってたCDが入っていた。
・・・こんなの、いつの間に用意してくれてたんだろ?
あんなに忙しかったのに・・・
その日の夜は、翔ちゃんの家のおれの部屋で、そのCDを聴きながら眠った。
そんな風に・・・
知らないうちに家の中には、ワクワクするサプライズが毎晩用意してあって・・・
2日目の夜はゲームソフトが、
3日目の夜は映画のDVDが出てきた。
でもさ、ひどいんだよ?
ゲームソフトにも、
DVDにも、
ごていねいに
『明日は映画のロケだからセリフ覚えてなかったら開けちゃダメ』
ってメモがついてんの(笑)
『明日は映画のロケだからセリフ覚えてなかったら開けちゃダメ』
ってメモがついてんの(笑)
コドモじゃないっつーの。
わかってるよ、そんなの。ふふ。
翔ちゃん、ほんと、カホゴなんだから。
でもさ、そうやっておれがこういう宝探しみたいなゲーム大好きなの分かっててくれて、
いっしょに楽しんでくれて、
それがすごく嬉しいんだ。
隠れてたものより、隠してくれた翔ちゃんのことを想うと胸がくすぐったくなる。
次は何だろう、って、指示の電話を期待して4日目の今夜もまた翔ちゃんのマンションに帰る。
「・・・雅紀、もう仕事終わった?」
「うん、ふふ。ホントしょぉちゃん、どっかにカメラ隠してあんじゃないの?
次は何だろう、って、指示の電話を期待して4日目の今夜もまた翔ちゃんのマンションに帰る。
「・・・雅紀、もう仕事終わった?」
「うん、ふふ。ホントしょぉちゃん、どっかにカメラ隠してあんじゃないの?
今さっき『俺んち』に着いたとこだよ。」
「隠してねェよ!
今日はね、特別すごいやつ!トクベツだよ?」
「えっ、なになにっ♪ 」
「・・・雅紀のベッドの下、見てみ?」
「オッケー、しょぉちゃん!おれの部屋の方だね?」
そのまま携帯で話しつつ、移動する。
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