『教えてやろうか・・・?俺が。』
「えっ・・・、」
顔をあげたら、真面目な顔したショウくんが・・・
・・・近付いてきてて・・・
「しょ、・・・っん、」
唇を、塞がれた。
チュ、
すぐに離れたショウくんが、ソファーの上で左脚だけあぐらをかくようにして身体ごとこっちを向いた。
「キスに自信が持てるようにさ・・・、教えてやるよ。・・・イヤならイヤって言って・・・?」
そう、言いながらまた少しずつ唇が近付く。
ま、待ってよ、イヤ・・・とかじゃなくてさ、教え・・・?って、オトコ同士で?
ショウくんは大丈夫なの?
ってゆうかそもそもキスって教えてもらうモンだっけ?!
チュ・・・
柔らかく、触れるだけの、キス・・・
・・・どうしよう、
「・・・いいの?
・・・黙ってたら『Yes』だって思っちゃうよ・・・?」
だって、こんなのヘンだよって頭では思うのに、それなのに、ショウくんとキス・・・したいって思ってるおれもいて・・・
どうしていいか分かんないよ・・・
「アイバく・・・、
・・・雅・・・紀、」
ドクン、
名前を呼ばれながら射るような目で見られて、腰の内側が竦(すく)むように震えた。
ダメ・・・だ・・・抗(あらが)えない・・・
「おっ、教えて・・・?」
あぁ、ノマレ テ イ・・・ク・・・
薄暗い中で、ショウくんが左の口角だけキュッとあげて笑って、右手をおれの左の頬に触れてきた。
おれも、右脚だけソファーの上であぐらをかくように折り曲げて、カラダごとショウくんの方を、向く。
ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、
なんか・・・
改めてキスしようと思うと・・・キンチョーする・・・
ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、
少しずつ、唇が、近付く。
やばい、息が詰まりそうに苦しい。
フワッ、・・・チュ、
また、唇が触れて離れる。
ダメだよ、そんなの。
苦しいだけだよ、ショウくん・・・
もっと・・・クルなら、キ、 テ・・・
求める気持ちで喉まで苦しくなったおれに、ショウくんが低い、テノールで囁いた。
「シて?・・・雅紀の、キス・・・」
ドクン、
頭の中で何かが解き放たれる。
そう・・・か、そう・・・だよな、おれの練習なら、おれから・・・だよな?
腰を正して後ろにあった重心を移動させて、左手をショウくんの首の後ろに回す。
右手をショウくんの二の腕に添えて・・・
顔を右に傾けて・・・下から、ショウくんの唇にそっと触れる。
チュ、チュ・・・
「ダメだよ、そんな浅くちゃ・・・俺の真似、して?」
そう言って、ショウくんが舌を唇の隙間に滑り込ませてきて、上唇と下唇を交互にそっと吸ったあと、グッと舌を迎えにきた。
ぅ・・・わぁ・・・ショウくんエロ・・・
まだ残る理性で感心してると、
「ホラ、真似して?」
唇を離れたショウくんが囁く。
「あっ、う、うん・・・」
チュ・・・チュッ・・・
あ・・・ショウくんの唇、厚みがあってキモチイイ・・・
最初は、キンチョーしてたけど・・・だんだんキモチイイ唇が愛おしくて夢中になる。
舌を迎えに行こうと思うんだけど、うまく絡められない・・・
チュッ・・・、
はぁ・・・、
「雅紀が蕩けてどうすんの」
「え・・・」
フワフワした気持ちでショウくんを見ると、すっげぇ優しい目で見られててドキッとした。
「もっと絡めなきゃダメでしょ?ホラ・・・教えてあげるから舌出して・・・」
そ・・・んな、優しい目で見んなって・・・
ドクン、ドクン、ドクン、
チュ、チュ・・・ッ、
ぁ・・・そんな・・・
「んっ・・・、」
そんな風にされたらヤバいって・・・