White Valentine Side.A *4 | 山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

ある時は嵐情報。またある時は櫻葉妄想小説。自由に生きております。
腐寄りにつきノーマルアラシックさまは速やかにご退出くださいませ。

Side-S *3

Side-A *1 *2 *3





その甘美な感覚に身を委ねるように、体ごと左を向いて右手で翔ちゃんの左腕にしがみつく。


溶け合うように舌を求め合ったあと、翔ちゃんが絡め取ったおれの舌を吸いながらチュッ、と音を立てて解放した。



「・・・はぁ・・・っ・・・」



思わず吐息が零れる。


翔ちゃんは・・・もう一度近付くとまたチュッ、と軽くくちづけた。


フワフワした頭でゆっくり目を開けると、おれの視界に翔ちゃんの大きな目が真っ直ぐに飛び込んできた。


急に現実に引き戻って恥ずかしくなって赤くなった顔を見られないように両手で隠す。



「わぁぁっ、なんだよ、しょぉちゃん!見てんなって!ってかさっ!ナニ?!さっきからナニ?!その、チュッて!


最近しょぉちゃんそんなんばっか・・・!」


{C27B71B2-11E2-4E78-8FAD-24E1845EFF88:01}


「あ、気付いてた?」



何だよ、翔ちゃんってばニヤけて笑ってるよ!わざとかよ!



「は・・・恥ずいだろぉっ!?」


「いやさ、こないだ番組に亀が来てさ・・・」



その番組おれも見たけどさ。


翔ちゃん、カメちゃんの・・・他の人の刺激を受けたんだ、って思うとなんか・・・ちょっと対抗心わいてきたよ?おれ。


翔ちゃんとの話に相槌を打ちながら、二人だけの秘密の暗号を作ろうって考える。


そうだ、いいこと思いついちゃった。


運転してる翔ちゃんの、肘掛に置いてある右手の下から左手を絡めてそっと唇に引き寄せてチュッと1回、音を立てて唇を離す。



「コレが、『ダイスキ』ね?」



今度はチュッ、チュッ、と2 回音を立てて翔ちゃんを覗き込む。



「じゃ、コレなぁんだ?」


「うーん、めっちゃ好き?」


「ブゥゥ~っ、残念!もうヒトコエ!」


「・・・愛してる?」


「ピンポ~ン!せいかいですっ!くふふふっ」



翔ちゃんとする、こういう会話ってすっごい楽しい。


ニノにこんなふうにクイズ出したってすぐバカ呼ばわりされるだけだし・・・、まぁそれも楽しいんだけどさ、どうせなら一緒に楽しんでくれる方が嬉しいよね。


翔ちゃんって頭いいのに、同じ温度で楽しんでくれるから胸がくすぐったくって、嬉しくって、暴走しても受け止めてくれる安心感があるから ついさ、はしゃいじゃうんだよね。



翔ちゃんのマンションに着くとトランクの荷物はわざと置いたまま、後部座席に置いてた翔ちゃんからもらったリュックだけ持って部屋に向かう。


いつトランクの荷物の事言い出そう、どうやって翔ちゃんに行ってもらおう、って考えてたら翔ちゃんに部屋にリュックを置いて来たら?って言われて、あ、そこでトランクの事言い出そう、と考え付く。


うまい具合に、翔ちゃんもついて来てる。


ふふふ。


カチャリ・・・ドアを開けて部屋のスイッチを入れる。


Side-A*5