White Valentine Side.A *2 | 山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

ある時は嵐情報。またある時は櫻葉妄想小説。自由に生きております。
腐寄りにつきノーマルアラシックさまは速やかにご退出くださいませ。

Side-S *1

Side-A *1





「ん・・・っ、」



チュ、と音を立てて唇が離れる。



・・・びっ・・・くりしたぁ・・・えっと・・・どうリアクション取ればいいんだろ。

こんな街中で・・・信号で止まってる時にキス・・・なんてさ。



初めてのコトに動揺して、何も言えないまま左右の袖口を軽く引っ張りながら手元に視線を落とす。



「この雪じゃ人もいねーな」



何事もなかったように翔ちゃんが車を再び走らせる。


翔ちゃんの言葉に顔を上げて周りを見やると、この雪で歩道は綺麗に白く、車もほとんど通っていない事に気付く。



「どする?ちょっと歩いてみる?」



車のいない公園の駐車場に乗り入れた翔ちゃんがおれを覗き込む。


ドライブだけかなって思ってたのに、思いがけない翔ちゃんからの提案に嬉しくってテンションが上がっちゃう!



「行っちゃいますかっ?」


「行っちゃいますか!」


「行っちゃいましょぉっ!くふふふっ」


「ぅぉーっ、さみーっ!」


「さぁみッ!」



ビルの谷間にある川沿いの公園は結構風が吹いていて、思わず肩をすぼませる。


次の瞬間、ふわっと首元を柔らかな暖かさが包み込む。


翔ちゃんがマフラーを巻いてくれた・・・ふふ。うれし。



「ありがと、しょぉちゃん。いぃのっ?借りちゃって?しょぉちゃん、サムくね?」


「ん、ダイジョブ。雅紀がくれたこのセーター、暖かいから。雅紀使って?」



ふふっ、なんか照れる。翔ちゃんは首の長いトナカイでも『雅紀がくれるなら何だって嬉しいよ』って言ってくれた。


ニノは『翔さん甘すぎ!』って言ってたけどね?


・・・マフラー、翔ちゃんのいい匂いがする・・・


グルグルと巻かれた首元よりも・・・、胸の内側からじんわりと温かい気持ちが溢れ出すのを感じながら、川に沿って続く公園の歩道をおしゃべりしながら歩いた。



普段じゃ絶対あり得ないけど、雪のおかげで誰にも見られずにショコラツリーをバックに携帯でツーショット写真なんて撮っちゃったしね。



「あ~、おれコレ待受にしよぉ~!ふふっ、」



嬉しくて画面の中の笑顔の二人を眺めていたら、



「そろそろ戻るか。・・・ホラ?」



って翔ちゃんが振り返りながら左手を差し出してくれた。


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うっそ、えっ、ホントに?!


すっげー嬉しいんだけど。


あっでもちょっと恥ずかしいよね・・・

(キョロキョロ)


でも・・・なかなかこんなのってないし・・・レアだよ?


嬉しさで頬が緩んじゃってるけど、しょうがないよね、嬉しいんだもん。


なんか・・・雪のおかげで今日はいっぱいシアワセかも・・・


Side-A*3