「うんめっ!いや、マジで美味いわ!サンキューな!」
「くふふっ!よかったァ~!他のも食べてね!」
「うん、ゆっくり大事に食わせてもらうわ。」
「・・・でね?」
雅紀が顔を近付ける。
「香りだけ・・・おすそわけ、ちょうだい?」
「んっ・・・」
雅紀から、舌を絡めるように唇を重ねてきた。
カカオとラムの香りが雅紀の柔らかな舌にまとわりついて上質の生チョコレートを口にしているような錯覚に陥る。
「んっ・・・ふ、ごちそぉさま❤︎ くふふふっ」
「ばっ!ご馳走様とか言うなって!ホラ、風呂行くぞ!」
照れる気持ちを隠そうと、つい口調が強くなる。
蓋を戻して、スツールを降りる。
「はぁい、しょぉちゃんっ!くふふふっ!行こ、行こ、風呂っ!」
2人揃ってバスルームに向かう。
「雅紀、先入って?」
と言って雅紀にドアを開けさせる。
「ぅっわ・・・!ナニコレすごっ・・・!」
タブには、赤いバラの花弁(はなびら)とピンクと白のミニバラの花を水面いっぱいに浮かべておいた。
「ほら、前にさ、バラ風呂に入ってみたいって言ってたろ?」
「言ってた~!ぅわ、でもしょぉちゃん、よく覚えてたね!」
嬉しそうな雅紀。
暫く花弁と戯れてはしゃいでいたかと思ったら『ちょっとまってて』と、急にドアの向こうへ行き、何かを手にまたすぐ戻ってきた。