イチオクの星の下で | 山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

ある時は嵐情報。またある時は櫻葉妄想小説。自由に生きております。
腐寄りにつきノーマルアラシックさまは速やかにご退出くださいませ。



冬の寒空の下


キミが白い息を吐きながら


街の灯に隠れそうな星を探すように


「やぁっぱ、あんま見えないね~」

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って言うから


見せてやりたくなって


誘い出した 


郊外にある気に入りの高台






車を降りて


その先へと走るキミ



「早く、早く!」



って俺を振り向いた


その笑顔に



「たまんねぇな・・・」



愛しさが 内側からこみ上げる


守ってやりたいって


本能がざわめく






手すりに腰掛けて


無邪気に空を見上げるキミを


後ろから


そっと


暖めるように


ダウンの胸を開いて


・・・閉じ込める






「くっついてると、あったかいね」



キミの声が


背中越しに直接俺の胸に響く




この距離が永遠に
俺のものでありますように・・・





「あっ!見た?!しょぉちゃん!流れ星!!」


「うっそ!マジで? やっべ、見逃したぜェ!」




でも


願いは届いただろうか・・・





ギュ、と腕に力を込めて


冷たくなったキミの頬に


キスを落とす







「しょぉちゃん・・・」


「・・・ん?」


唇を押し付けたまま目を閉じて


キミの語りかけに耳を澄ます




「おれね・・・こうやってしょぉちゃんが腕の中に入れてあっためる人が、ずっとずっと、おれならいいなって・・・」


「うん・・・」


「しょぉちゃんと、この距離で話したりできるのがおれだけならいいなって・・・」


「うん。」



唇をそっと離して


少しだけ身を引くと


キミも少しだけ肩をずらして


視線が交わる






「ずっと、雅紀だけだよ?」


「ふふ。」



お互いに冷たくなった鼻先と


おでこをそっとくっつけて



「ずっと、な」


「ん。」



ゆっくりと、


重ねようと首に角度をつければ


うっすらと緩む柔らかな唇





甘い香りに誘われた蝶のように


キミからどうしても離れられないんだ


甘くて 優しい蜜を分け与えて


俺を 離してはくれないんだ






白い息を漏らしながら


この手で包み込んだ


頬とは対照的な温度の


柔らかな厚みを絡め合い


ヤバイくらいの 愛しさを持て余す





星に願わずとも


望まれた同じ想いに





ありがとう





そう 胸に呟きながら


この芯に伝わるあたたかさを


ずっとずっと


守るんだって



ホシに、誓った。



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