今日は午前中から雑誌の取材とグラビア撮影を6社分こなして
明日は朝一から夜中までだからって敏腕マネージャーが15:30でアップになるようにスケジュールを調整してくれた。
昨夜のうちに翔ちゃんにメールしたら15時以降なら翔ちゃんもカラダ空いてるってんで、急遽一緒に買い物に行くことになっていた。
この撮影が終われば久々に翔ちゃんとデート!
逸(はや)る気持ちが表情に出ちゃってカメラマンさんにも笑顔が伝染(うつ)っていく。
『いいねー。いいよー。
忙しいのに、さてはプライベート充実してるな?』
「いやいや。普通っすよー。くふふっ。」
何度も仕事をご一緒してるカメラマンさんで、自然と会話も弾み、軽快にシャッターが切られていく。
「お疲れ様でした!ありがとうございました!お先に失礼します!」
スタジオを後にして、楽屋でメイクを落としながらスマホのチェック。
『雅紀 お疲れ 万事順調!予定通り出れそうです。
ホントに迎え行かなくていい? 』
翔ちゃんの顔が目に浮かんで自然に顔がほころぶ。
早く向かいたい気持ちでスマホを置くと、鏡に向かって水分を含んだコットンを手早く顔に滑らせていく。
Vvv Vvv Vvv
スマホが鈍く振動して緑色のアイコンに赤く①と新着メッセージを知らせる。
蒸しタオルで右の頬を抑えながら左手に取って親指でタップすると
さっきの翔ちゃんからのメッセージの下に懐中時計を見つめるリスのスタンプが届いていた。
「くふふっ!なんだよしょぉちゃん、返事待ちアピールかよ!ふふふっ」
胸がくすぐったくてつい独り言を言いながら返信する。
『翔ちゃん お疲れ!こっちも終了、あと10分で出ます。
迎えも嬉しいけどチョクの方が早く逢えるから現地集合で!帰りはよろしくどうぞ!』
マネージャーに待ち合わせ場所の近くまで送ってもらって、頬に風を受けながら新しいスニーカーで歩き出す。
→【#2】