まっつん潤♥️祝18周年!#4 | 山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

ある時は嵐情報。またある時は櫻葉妄想小説。自由に生きております。
腐寄りにつきノーマルアラシックさまは速やかにご退出くださいませ。

『二宮くん?あぁ、彼は器用だよね~、演技も器用さが嵩じて感覚が天才的っていうの?』

ある演出家がそう言ってた
俺も、ホントにそう思う
二宮くんはとても器用だ
なんて言うか、
いつも飄々としていて
捉えどころがない


俺は
演技も 歌も ダンスも
時間の隙があれば
少しでも多く練習したい派で
二宮くんとは正反対だ


だから
正直、時々 イラっとする事がある


今だってそうだ
今はみんなで
振り付けの変更を確認して
各自練習中だというのに

二宮くんは
フラッと何処かに行ったり
相葉くんとフザけたり
(正確には練習してる相葉くんに
ちょっかい出してるんだけど)
最初にチョロッと練習しただけで
今は全然やる気を見せてない

俺はこんなに一生懸命やって
汗だくになって練習してるのに・・・

そう思って恨めしそうに見てたら
ふと目が合ってしまった
パッと視線を逸らして唇を噛む

彼のいる方向から
相葉くんの笑い声がして
重なるように二宮くんが声を上げる

チラリ、と二人の方に目をやると
二宮くんがまっすぐにこっちを見て
いたずらっ子のような表情を見せ
こっちにやって来た


「まっつもくんさぁ、バニラとチョコ、どっち派?」

「は?」

構えていた俺の脳には
二宮くんの口から出てきた
質問の意味がさっぱり理解できず
アングリと口が開いてるのを
自覚しながら閉じれない


「だからさ、アイス!どっち派?」

「あ・・・あぁ、チョコ・・・かな・・・っつか、何?今関係なくね?」

少しトゲのある言い方になったが
二宮くんは気にするそぶりも見せず
横目でチラリと見ると
口の端でフフンと笑って

「チョコか、やっぱね。」

と言って戻って行った。

なんだよ
なんなんだよ

モヤモヤした気持ちのまま
5人で通しで踊り始める

踊りながら二宮くんのことを
鏡越しに見てみると
あんなにダラケていたのに
ピシッとフリが揃って
視線の角度まで完璧に踊ってる

ドラマの時もそうだったけど
二宮くんはキューを出された途端に
スイッチが入ったように
別人になる

バラエティーでは
そのスイッチを
自分でちゃんと管理して
意識して入れたりオフにしたり
周りの空気を読んで
その瞬間その瞬間に
欠けてるポジションにスッと入る

くやしいけど
俺にはできない
二宮くんはダラダラしてる風だけど
実はそうしながら
誰よりも周りを読んでる
それが分かるから
イラッとするけど
どこかでそんな二宮くんに
頼ってる・・・気がする・・・




「ほいっ!チョコ!」

練習のあとシャワーを浴びて
上半身裸のまま
長椅子に仰向けになってたら
急に冷たい物を
胸の上に置かれた

「冷てっ!」

飛び起きると
相葉くんと肩を並べた二宮くんが
フフンと笑いながら振り向いた

「潤くん、にの がおごってくれるって!くふふっ!おれさっきジュージャンで勝ったんだけど今日暑いからジュースよりアイスの方がいいっていったの!おれバニラがいいっていったのに にの チョコ買ってきちゃうんだもん。くふふふふっ!潤くん、おこぼれ、おこぼれっ!ラッキーだよぉ!」

「アナタが最後まで迷ってるから分かりにくかったんだよ、ばーか!あ、ワタシが負けもしてない人に奢るなんて珍しいですからね。大事に食べてくださいね?」


相変わらずの漫才コンビ
やいのやいの言いながら
向こうのテーブルに座った

手の中のチョコ味のアイスを眺める

一匙口に運ぶと
甘さ控えめで
ほんの少しほろ苦い
オトナ味のチョコアイス


「ふふっ、二宮くんみたいなアイスだ・・・」


顔を上げて見やると
相変わらずふざけ合ってる
相葉くんの肩越しに
二宮くんが
右目だけ軽く
瞑って見せた


アイスの心地よい冷たさが
沁み渡った







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