にわか勉強ですが、ニーチェの永劫回帰と仏教の輪廻転生は意味が全く異なります。

輪廻転生は現世の行いが来世に影響するが、ニーチェの永劫回帰はただ同じことが繰り返されるという意味。つまり、ニーチェの永劫回帰の世界観は何の努力も善行も意味はなさない。ビデオを何回も再生するように同じことが延々と繰り返されるという考え方だ。とすると、人生には何の意味もなくなり、この世はむなしいものとなる。


私はこの世界が永劫回帰であるとは思えない。ただ、人生は苦しみの連続であるということと人間は同じ過ちを何度も繰り返すという意味では永劫回帰といえると思う。


もっとも人生には喜びもあり、私のここまでの人生は苦しみよりも喜びの方が多い気がする。今まで経験してきた数々の喜びが繰り返されるのであれば、永劫回帰も悪くはないと思う。


ニーチェはこの世界が永劫回帰であると悟って生きる意味を見失った人を末人と呼んだが、末人にならないためには、この世の中が永劫回帰である事実を正面から受け止めたうえで、それでも前向きに逞しく生きることを説いた。「これが人生か。ならばもう1度」と思える人をニーチェは超人と呼んだ。


ニーチェの哲学は今の私が目標にする生き方にすごくマッチする。世の中思い通りにならないことばかりでも、その事実を正面から受け止めた上で、前向きに生きようと努める。まさにそういう生き方をしたい。