左遷されたけど、優しい夫。

本当に優しい。

それだけは、自信を持って言える。


でも——頼りない。

よく忘れる。

判断力もどこか鈍くなっている気がする。


優しさゆえに、プレッシャーに負けて

今のような状態になってしまったのかもしれない。


難しい。

旦那の足りない部分を、私が補えばいいの?

それとも、彼が立ち直るのを待つべきなの?


2人で話し合って決めたことも、

いつの間にか彼の中ではリセットされている。


「そんなこと、言ったっけ?」

——その一言で、胸がスッと冷える。


優しいからこそ、責められない。

でも、心は少しずつ摩耗していく。


夫婦って、思ってたよりずっと難しい。

それでも、あの人の「優しさ」が、

まだ私の中の“支え”であることは、間違いない。