ドーピング問題が自転車ロードレース界を騒がせる中、

1997年のツール・ド・フランスチャンピオン、ドイツの

ヤン・ウルリッヒ

のドーピング疑惑の裁定が9日下されました。

結果はクロ。

スポーツ仲裁裁判所は、ウルリッヒのDNAと一致する

袋詰めの血液が発見されたことなどから、

少なくとも血液ドーピングには関与したということでドーピング認定したとのこと。

ウルリッヒは2011年8月から2年間の出場停止が決まり

2005年5月以降のレース記録が抹消されることになりました。

消される主な記録として・・・

2005年のツール・ド・スイス3位

2005年ツール・ド・フランス3位

2005年ドイツ・ツアー2位

2006年のツール・ド・スイス総合優勝

2006年ジロ・デ・イタリア1勝

書いてるだけでも悲しい・・・

ちなみにドイツ国内のメディアの論調としては

「ドーピングしました」と素直に認めて発言する最大のチャンスを逃した、

とかなり批判的。

ウルリッヒの声明が
"Ich bestätige, dass ich Kontakt zu Fuentes hatte. Ich weiß, dass das ein großer Fehler war, den ich sehr bereue. Für dieses Verhalten möchte ich mich aufrichtig bei allen entschuldigen - es tut mir sehr leid."

「フエンテス(医師)と接触があったことを認めます。それは大きなミスで後悔しています。この行動をみなさんに心から謝罪したいと思います。本当にごめんなさい」

だったことから、例えばフランクフルター・アルゲマイネ新聞は

「文の中心がはっきりしない」(つまり「文章が曖昧でなにが言いたいかわからない」)と批判的

「小学校5年生の子供が悪さをして、親が子供に先生に向けての反省文を書かせて「本当にごめんなさい」で許されるのか?」

「フエンテス医師に接触したのが悪かった?ドーピングの文字も人工輸血の文字もEPOも何もどこにもでてこない」

と厳しく断罪しています。

裁定が出るまで今までかかったことも不満ですが、

黙ることによってうやむやにしてしまおうというウルリッヒの態度が

ドーピング以上に良くないという風に受け止められています。

「すべての行動にはきちっと責任をもち、言葉で説明できなければいけない」

というドイツ人らしい反応だと僕は感じました。

それにしても引退したとはいえウルリッヒの栄光に影がかかったことが本当に残念です。
Sascha