374 「LEGO MOVIE」 特異な素材で、独自の世界観を作る。それはアニメの基本 | ササポンのブログ

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この映画、完全にバカにしてました。
みんなと、同じように。
動画サイトに上がっている
素人のLEGO動画。

確かに、
凄いものもある。



これなんて、ほんとに大好きで
以前に、
このブログに張ったこともあった。

ただ
LEGOに対しての
思い入れはありません。

普通の子供のように
LEGOで遊んだりしましたが、
マニアックに
創作を楽しんだり、
オリジナルのLEGOを作ったりは
しませんでした。

もともと、
僕は
模型やプラモは大の苦手。

やっているうちに、
いらいらするタイプ。

カラーリングなんてとんでもない

ミニカーすら興味のない男。

ただ、傑作の
予感はあった。

その根拠は
アメリカにおける
この映画の興行成績の動きだ。

この手のマニアックなアニメや、アメコミ映画は、
最初は派手に1位になるけど、
すぐに順位は落ちる。

好きな人が
我先にと見に行って終わりってのが普通。

だがこの映画は、ずっとベストテンにいた。
そこにいて、他の映画の成績が悪いと
再び、
1位になっていた。

こういう動きをする映画に
傑作が多い。
つまり
マニアだけではなく
普通の客も
口コミで、見に来ているのだ。

過去に、
あの傑作アニメ映画
「ヒックとドラゴン」が同じような動きをしていた。

だから、
予感はあった。

しかし、
その予感を超える傑作だった。






この映画は、
もちろんCGだ。
ただ、もう徹底的にLEGOで作られた世界にこだわっている。
LEGO以外の、
表現はしていない。

ここがまずこの映画のポイントだ。

特殊な素材を使ったアニメは、
その素材の特徴を、
使いこなしてこそ意味がある。

粘土を使った傑作アニメ
マークトゥエインの冒険
いま目の前にある風景が、
ドロドロと溶けて、
次のシーンの風景が盛り上がり、出来上がる。
粘土にしかできない、見事なシーンの変換。

ぜひ、
見てほしい傑作。

さらに
そんな素材を、世界観にまで進化させたのが、
「ストリングス」
操り人形が繰り広げるこの物語。
この映画がすごかったのが、
操り人形という特殊な素材を、
そのまま、
物語の世界観に繋がっている。

つまり、
天から降りてくる糸によって操られた登場人物の死は、
その糸が切れるとき・・という表現が使われる。

それは、
使用している特異な素材を
世界観まで昇華させた見事な映画

その見事さは、
この「LEGO MOVIE」にも
共通している。

決められたマニュアルに従って、
なんの疑いもなく、
ビルヂングを組み立てる主人公、エメット。
とにかく、
何の疑いもなく、
マニュアルを愛する男。

彼の住むブロック・シティでは、
支配者であるお仕事大王の
与えられるマニュアルに従って、
ブロックを組み立てていれば
間違いがない。


そのエメットが、
穴に落ちて、
たどり着いたのが、
マスタービルダーの住む
マニュアルなしの創造の世界

ふたつの世界の対立。

おしごと大王が、
究極の兵器、スパボンを炸裂させる




人が好くって、
人畜無害。

いい人なんだけど
つまらない

居るのか居ないのかわからない
どちらにしても
世界の趨勢にはなんの関係もない
エメットという存在が、
やがて世界のすべてを揺り動かす存在となる

ヒーローものの基本
最近、
忘れられたこの基本を堂々と
やっているのは、
LEGOという
一見、
無個性な、無機質な
四角四面の部品を組み立てることで、
唯一無二の個性を作り出すという
世界観を際立たせるため。



エメットの強みは
ふたつの世界に属していたということ

だから、
ふたつの世界の、
いいところも、わるいところもわかっている

ふたつの世界を結びつけるこそが
この世界の平和につながる

これだけでも
かなり
優れた世界観だが、
後半にはさらに複雑な、でも効果的な展開に・・。




さらに、さらに
恐ろしいことに、
この映画のスピード感だ。
正直、
この映画、細かい工夫は1回の鑑賞ではわからない。
LEGO世界を徹底させながら、
さらに
普遍的な躍動感を出す。

子供から大人まで。
今の時代には一番、難しいこのハードルを
乗り越えた
最高の、文句なしの、娯楽映画!!

さらに、さらに
音楽がいい!
楽しい!!

文句など、一つもない。
本年度、ナンバー1確定!!