370 「キック・アス2」 あなたは愛する人を殴れますか? | ササポンのブログ

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平凡な人間の中に潜むヒーロー願望という名の
狂気と狂喜に
スポットを当て、
見事とな傑作に仕立て上げた前作。

それはひとつのジャンルとなって
B級ヒーローアクションの主流になった。
つまり
予算は少なくても、
ヒーローものは作れるという、
希望と幻想を生んだ。

そんな
模倣溢れるなか
続編がやってきた。






今回は
騒ぎません。

ヒットガール、ヒットガールなんて連呼しません。
画像もちゃんと公平に、すべての登場人物を張ります。
ええ、
冷静ですとも。

そんないつまでも
クロエ、クロエ、言ってられないですわ



(今回、若干のネタバレあり)

あまり評判はよろしくない本作

アメリカで公開時
学校での銃乱射事件と、
銃規制の議論が盛り上がり
ジム・きゃりーぱみゅぱみゅが
「ぼく、宣伝、したくない」と
のたまってしまって、
興行的には大惨敗だった。

ただ皮肉なことに
今回は
そんなことは知らない
関係ない
外国で
ヒットした。

さて、
今回の作品、
欠点もなくはないが、
僕的には、完全な合格点だった。
おもしろかった。





完璧に、
主役は、ヒットガールに移っていた。

前作の僕の評の最後に書いた、
父親であるビッグダディが復讐のために
教え込んだ
暴力は
結局、娘にとってひとりで生きる
身を守る
指針となった・・ということが
奇しくも今回のテーマとなった。


ヒットガールでいることの、
意味と意義

世間は、
普通の女の子に戻れという

でも
周りの状況はヒットガールでいろという。
暴力と悪で満ちた世界。

偏見と差別と
暴力的変態で満ちた世界。

さらには
亡き父の意思が
彼女を引き戻す

普通に戻ろうとする
彼女にマスクをしろという



対して、キックアスは嬉々として
正義を再開した。

彼は、ヒットガールにいう
「僕を鍛えてくれ」
訓練の最初にヒットガールはいう
「わたしを殴れ」
殴れるわけないとキックアス
ヒットガールはいう
「女も殴れないなさけない野郎!」
そういって、キックアスを殴る
きっと、ヒットガールの父もそうしたのだろう
「さあ、わたしを殴れ!」と

少女だろうと
肉親だろうと
愛するものだろうと
殴れなければ、
ヒーローとして生きていけない

それを
正義と呼べるかなんて議論はどうでもいい
悪の暴力は無限なのだ

なぜなら
愛という足かせがないから



悪の権化を演じる
マザーファッカー。

愛する者を
殺し殺され、悪となる

自分の腹心であり
唯一の家族と呼ぶ
ジョン・レグイザモ演じるハビエルを
叔父に殺されたとき
マザーファッカーは、
悲しみをこらえていう
「ありがとう。これが必要だったんだ」

悪になりたいのなら
すべての愛を葬り去れ

悪というのは
破壊のみの存在。

そんな悪に立ち向かうべく
ミンディは再びヒットガールとなる



そして
毎度のことだが
この手の映画では
悪が生き生きして魅力的になる
今回やはりサイコーにサイコだったのが、
ロシア・ガール

もう
性別や常識や理屈を超えてます

だから
最強です



ストーカーが
追い回している女を
車で撃ち殺す、
とても良い国になりました
日本も

アベさまのおかげで
やがて登校する小学生を
武装した警備員が
送り迎えする
美しい日本が実現するでしょう

あなたは
愛する人を
殴れますか?