
この映画は
4分の短編です。
観られるのは
CSシネフィルイマジカ・・だけでしよう。
だから
内容もオチも紹介します。
だから
シネフィルイマジカが見られる環境のひとや
これから
CSに入会しようとしているひとは
ご遠慮を。

ある小学校3年生の教室。
伝言ゲームをしようということになり
児童たちは、円になって椅子に座る。
ミレアムという女の子が
最初の言葉を発する役割を指名される。
ミレアムの女の子の右側に座っている男の子、
つまり
伝言を最後に受け取って答える役割の男の子は
黒人のパウル。
ミレアムは、
パウルをちらっと見て
こんな伝言を
左側の子に伝える。
「パウルは、身体を洗わない」
その伝言が、
正確に、
どんどん
パウルに向かって伝わっていく。
注目が
パウルに、
そして
その伝言をパウルに伝える少年に集まる。
最後の少年に伝言が正確に伝わる。
「パウルは身体を洗わない」
それを最後の少年は、パウルにどんなふうに伝えるのか?
最後の少年が
パウルに伝える。
「ミレアムは、パウルが好きだ」
それを聞いて
ニコリと笑ったパウロが、
伝言を発案したミレアムに、
キスをした。
そこで
笑い声や歓声が起って
映画が終わる。
別に
短編として
素直に
楽しんでも、
楽しめる。
ただ
優れた映画が常にそうであるように
深読みも可能となる。
この伝言ゲームで
言葉を伝えていく少年少女は
色々な人種が混じっている。
アジア系もいるし
ミレアムはかわいい白人。
パウルは、上の写真の黒人。
最後の伝言を伝えたのは
写真の子。
言語でコミュニケーションが
取れて
正確に言葉が伝わったからといって
それがかならずしもいいこととは
限らない。
最初に
純粋な残酷さによって作り出された言葉を
最後に
そのまま伝えなかった少年の優しさと
それによって起った笑い。
その言葉がそのまま伝わったら
悲しい対立しか生まれない。
いじめだろう。
それが
ほんの優しい気持ちの心で
笑いとなる。
子供特有の残酷さによるいじめが
ほんのちょっとの優しさで
笑いとなる。
それが
4分の短編で、
教室に数十人の子供を集めただけで撮れる。
もちろん
どんな言葉を伝えるのか・・という
サスペンスというか
どきどきもあります。
同日に
僕は
二億ドルという製作費をかけて
なにも伝えていない
全然、どきどきしない映画も観ました。
その映画評は
次に書きます。