
元々
リメイク映画が大嫌い。
特に
オリジナルが完璧な映画は
絶対に意味がない。
「ベストキッド」
オリジナルは傑作だが
完璧ではない。
どこからも
水も漏らさぬ絶対な映画・・・ではない。
特に数本の
続編を作ってしまったがゆえの
オリジナル製作者たちの
1作目に対する
不誠実な愛が
観客に浸透してしまった
が、ゆえに
オリジナルに対する
愛と敬意に満ちた
このリメイクが傑作となった。
恐らく
オリジナルを愛する観客にとっても
この映画は満足するものとなったに違いありません。
まず
数日前のプログでも書きましたが
この映画、一部の映画館以外では
吹き替え版です。
矢島晶子、石丸博也が声を当てているので
吹き替え版に関しては文句なしです。
ただ
映画館にいって吹き替えか字幕かを
選択できない・・というのは
ちょっと不親切過ぎないか・・と
3Dの上映でますますスクリーンの数が
限られてきて
最近では
ヒットしている映画ですら
2週目から
上映回数が減らされたり
2D上映が取りやめになったりします。
正直
どうでもいい日本映画がますます増えて
スクリーン数は増えているのに
おもしろい映画が
どんどん上映出来ない状態、
このままいくと
映画館では
クソ日本映画と
吹き替え、3Dの洋画しか
見られない時代がくるかもしれない。
傑作洋画はDVDでどうぞ
オリジナル音声はDVDでどうぞ・・・・でいいのか?
とりあえず
まず
ジャッキーのファンは
劇場に足を運んでください。
気持ちはわかりますが、
吹き替えとか
そういうのにこだわって
見逃すと
確実に、絶対に後悔します。
まず
ここにはジャッキーファンとして
最もうれしい形としてのジャッキーがいますから・・。
わかりきった、有名すぎる物語。
それを変えるつもりはない。
ただ
もちろん
そのままやっても意味はない。
まずは
役者をアメリカの今とした。
黒人少年と中国人。
そして
舞台もアメリカの今とした。
中国。
母子家庭が
中国に転勤するのが
アメリカの今である。
変更点は
これだけである。
そして
これだけで
傑作は
新しい傑作となるのだ。
なにより
ジャッキーが歳相応の
ひとのいい、優しい
ただ少し無愛想なジジイになったことが
嬉しい。
自らのオリジナルのカンフーイメージを生かしつつ
歳相応の静の部分をくわえるという
格闘役者としては
完璧すぎる役作り。
正直
最近のジャッキーのいささか無理をした
アクション映画には
若干の悲しい滑稽さがただよっていた。
格闘役者が
うまく歳を取る・・というのは
かなり難しい。
結局は
アクションや格闘のない映画にシフトしていくか、
いつまでも
老醜をさらして
動き続けるしかない。
しかし
この「ベストキッド」におけるジャッキーは
格闘俳優として
素敵な姿を見せてくれている。
弟子である少年が
たくましく成長していくに従って
ジャッキーの表情に現れる
悲しみの正体。
その悲しみの表情を観るだけでも
ジャッキーファンは
泣けてくるはずです。
少年役のスミスくんは
もう
世評どうりの完璧さ。
身軽さと
軽妙さから
悔しさ
悲しさ、
そして
怒りから
喜びまで
すべての感情が確実にストレートに観客に伝わる。
まず
俗な言い方で恥ずかしいが
役者になるために生まれてきた子である。
それが
頭のいい、冷静で
欲に流されない
父親のプロデュースによって
確実に素敵なキャリアを歩んでいる。
子役の悲劇は
大抵は
その親によって引き起こされる。
親の関与していない子役の悲劇などない。
願わくばこのまま、このまま
自然な形で
役者道を歩いてほしいスミスくんである。
この映画
もうひとつの素敵な点は
ガールフレンドのメイの
かわいさだ。
このかわいさは
なんとなく
少年時代だけに憧れるかわいさなのだ。
つまりは
浮世離れしたかわいさではなく
リアルな、あ、こういう子を好きになったな・・という
かわいさなのだ。
そして
いじめっ子役がいいツラしてるんだこれが。
観ているこっちがゾクゾクするほど
強いし、憎たらしい。
物語上の話でいえば
この手の映画のキモは
ジャッキーがカンフーの名手である・・ということを
どこのタイミングで見せるか
そして
トレーニング・・である。
この辺も
監督はしっかりとわかっていて
とても
理想的なタイミング
そして
一番、気持ちいい形で見せてくれる。
とにかく
見て楽しいし
とにかく
ジャッキーのファンは映画館でみておかないと
墓場に入るまで後悔しますよ
















