243 「ジレンマの前座劇」 Ⅱ 僕は他人の遅刻を許します。なぜならブルーノほど美しくないから | ササポンのブログ

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前回からの続きです。
パートⅠ

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あまりにも
相手の女性に厳格さを求めるブルーノに
ピエールは
「恋愛に正しさを」と聞く。

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自らの価値観や誇りを
恋愛によってゆがめられることに
我慢が出来ないブルーノに、
ピエールはまた
素敵なセリフを言う。

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やがて
45分が過ぎ、
彼女が来たら
君から話してくれ・・と
言い残して
ブルーノは着替えるために
バスルームに。

やがて
彼女はやってくる。

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遅れてきたロゼッタは
今度の遅刻で終わりだという言葉を
歯牙にもかけず
「プラムを買っていたから遅れた」と言う。
それはなんの言い訳にもならない言い訳。

やがて
ピエールは、
ロゼッタの前にブルーノを連れ出し
ふたりで話し合えと言い残し
外に出ていく。


君からの侮辱に耐えろというのかというブルーノに、


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この後、
ロゼッタの執拗な愛の囁きに答えるように
ふたりはベッドインする。

まるで
よくある男と女の諍いと和解の物語と思っていると・・

ブルーノは
ロゼッタに別れを告げる。


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そして
彼にとっての決定的な嘘のない告白が囁かれる。

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これは
絶対的にブルーノの本音だろう。

そして
僕は
このセリフによって
この男に理解し共感した。
つまりは
この男は恋愛は出来ない。
自己愛が絶対の男に恋愛は無理である。

当然のことながら
ロゼッタには
彼の気持ちは理解できない。

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彼にとっては
俗悪の極みの理屈が展開される。

どうでもいいような恋愛映画で
何百回も繰り返された言葉だ。

そして
その後にブルーノの口から発せられるセリフは
なんともはや・・。

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この後、
ロゼッタが出ていき
ピエールが来る。

ブルーノは泣いている。

別れたことで
君は永遠に彼女に縛り付けられる。
自分の行動が正しかったのかと問い続ける。

そして
恋愛というのはこういうものだと言い切る。

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ここまで
長々とセリフを引用しながら
書いてきたのは
この映画は
このセリフがすべてだからだ。

かわいい彼女。
とても愛してる。
しかし
遅刻と嘘の常習。

その行為が我慢できないと
8か月に渡って
説得してきたが
彼女は聞き入れなかった。

彼は、
それを自分に対する侮辱と受け取った。

そこで彼は自分に問う

本当に愛しているのは
自分なのか
それとも
彼女への愛なのか?

「愛するひとの行為を耐えるのは簡単」
「そもそも私は貴方を侮辱した?」


もし
僕が同じシチュエーションで
これを言われたら
その場でロゼッタを部屋から蹴り出すだろう。
ふざけんじゃない・・と。

しかし
実際はそんなことはしない。

実際の僕はこう思う。
「ま、いいっか」

なぜなら
僕は、
ブルーノのように美しくないから。
たとえ
ブルーノ並みの自己愛を持っていても、
世間に開かれた容姿によって
そのひとの言動や価値観や哲学は決まる。

僕は絶対に遅刻はしません。
でも、
他人の遅刻には肝要です。
なにもいいません。
特に女性の遅刻には、
まったくなにも言いません。
「いいよ、いいよ」と言います。

なぜなら
ブルーノほど美しくないから。
男と女の恋愛において
その容姿は
重要な意味を持ちます。

それは当然なことですが
なかなか声に出して言う人間はいません。

この映画、
ブルーノの容姿に関してはなにも言っていません。
しかし
その撮り方を観れば
このドラマにおいて彼の容姿が重要なファクターであることが
わかります。

この物語から貴方はなにを感じるんだろうか?

ちなみに
ここで言うところの男と女の恋愛というのは
夫婦の愛とは違う物です。

夫婦と言うのは、男と女なのか?
これはまた別な問題。




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