217 「トレスパス」  夢の強烈タッグ!! でも、誰も見てない。 | ササポンのブログ

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ひとを観ていないものを観ます

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製作・脚本
ロバート・ゼメギス
ボブ・ゲイル
監督
ウォルター・ヒル

そして
音楽は、もちろん
ライクーダー。



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好きなひとには
信じられないような強烈なタッグだろう。

いま、
このコンビを組んだとしても、
それほど
興奮しないだろう。

双方、
完全に創作者としての勢いが落ちているから・・。


しかし
この時期は
特に
ゼメギスは、
「バックトゥザフューチャー」を撮った後の
絶頂期である。


ウォルターヒルにしても、
若干、
力が落ちてきたとはいえ
まだまだ
一線級である。

これで
おもしろくない映画が出来ないわけがない。

実際に
めちゃくちゃおもしろかったわけだが、
なぜか
ヒットするどころか
誰も見ていない。

一番の原因は
キャストの恐ろしいほどの
地味さだろう。

いまでこそ、
ラッパーが映画に出るのは当たり前になったが
この時期は
まだ珍しかった。

だから
メジャーなラッパーの
アイス・T
アイス・キューブが出ても、
特に
日本では「は?」である。
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さらに
主役の二人が

ビル・パクストンと
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ウィリアムサドラーである。
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この映画が
日本で公開された理由は
たったひとつ、
ロバート&ボブ コンビだからである。


この手の映画、
つまり
俗に言う
B級映画は、
作り手が好き勝手にやっていなければならない。

作り手が
やりたいことを
ノビノビやっていればいるほど
傑作となる。

この映画、
ロバート&ボブコンビ
そして
ウォルターヒル
そして
ライクーダー

好き勝手やってます。

だから
もちろん
めちゃくちゃ
おもしろい。
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出だしのストーリーだけでも、
この映画のおもしろさが
わかります。

アーカンソー州フォートスミス。
火災現場に駆けつけた消防士のヴィンス(ビル・パクストン)は、
猛火の中、彷徨い歩く男から突然封筒を渡された。
消防署に帰ったヴィンスは、
親友で消防士仲間のドン(ウィリアム・サドラー)とその封筒を開けた。
中には50年以上も前にカトリック教会から盗まれた純金の装飾品の新聞記事と、
地図が入っていた。

喜んだ2人は週末にその地図に描かれたセントルイスへ向かった。
その場所は、町から2マイルほど離れた工場の廃屋だった。

そこに
黒人グループがやって来たのに気づく。
そこでヴィンスとドンはキング・ジェームズ=KJ(アイス・T)の一団が殺人を犯す現場を見てしまい、
彼らに見つかってしまった


つまり
宝さがしに
廃工場にきたら、
そこで
黒人ギャングたちが
麻薬の取引、そして殺人・・。

逃げろ・・でも
宝はほしい。

なんかさぁ・・・
めちゃくちゃ、おもろそうでしよ?

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この映画で
まず一番、特徴的だったのが
アクション映画で
はじめて携帯電話を効果的に使ったということだ。

この携帯電話という道具が
アクション映画に与えた影響は
計り知れないものがあります。

まず
どこにいても
仲間に連絡できるというのは
戦っているときに
どれだけ
有利になるかわかりません。

ここにいなくてはわからない情報が
すぐに
別の場所の仲間に伝えられるだけで
情勢は一気に変わってしまう。

とにかく
なにもかもが
スピーディになる。

こんな素敵なアイテムを
テクニシャンの
ゼメギスやヒルが
生かさないわけがない。

この映画では
本当に見事にアクションシーン、銃撃戦において
携帯電話をフル活用しています。

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さらに
ロバート&ボブコンビが
脚本を書いているので
いつものウォルターヒル作品とは違う
ある種のユーモアーというか
間抜け感が
漂っています。

特に
黒人ギャング連中の
間抜けさには
かなり笑わされます。

まあ
物量、人数的にも
かなり有利な彼らが
有能だったら
主人公のふたりは
すぐに
ぶっ殺されてしまい・・物語は終わってしまいますが・・。



正直言うと
ウォルターヒルは
この映画が最後の輝きだったと思われます。

この映画以降に
彼らしい輝きはなく、
彼らしさは
この映画で終わっています。

なにはなくとも
彼のファンなら、
この映画だけは
見ておいてください。

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