
期せずしてブロンソン・トライアングル!!
ska-n-tasticさんの「マジェスティック」
kazzpさんの「テレフォン」
それなら
僕もブロンソン・・とDVDのリストを観てみる。
そして
「狼よ、さらば!」や「バラキ」などの候補を
押しのけて
やはり
これがよろしかろう・・と。
この映画に関しては
もう出来、不出来の問題ではない。
そんなもんは
どうでもいい。
三船敏郎とチャールズ・ブロンソンが
並んでいるだけでもいい。
そうじゃないですか?
西部の荒野で
三船とブロンソンが
並んで馬に乗る。
その画面の美しさよ。
もう
赤塚不二夫じゃないけど
「これでいいのだ」と・・。
もうひとりいたけど、
この映画に関しては・・・
添えモノですね。
ドロンは・・。
そりゃ、
笑える部分もある。
突っ込みたいシーンもある
三船の投げる手裏剣のような小刀は
なんであんなに百発百中なんだ。
三船の食っていたのは
ありゃなんだ。
おにぎりか?
色が変だぞ。
そもそも
なんで日米修好の任務を帯びた日本国大使たちの乗った列車に
金貨の納められた郵便車が連結されてるんだろう。
そもそも
警備があまりにも手薄じゃないの・・。
しかしだ
しかし
そんなもんはどうでもいい。
三船の周りの人間の
「あいつはなんだ」的な視線が
結構楽しい。
西部劇おなじみの風景に
三船が袴姿ですくっと立つと
やっぱり異様である。
ただ
おもしろいのは
袴姿の大使たちに電車内で
囲まれると
ブロンソンがなんか変に浮いている。
この映画のポイントは
やはり
この浮いてる感だ。
拳銃を持つ三船。
日本刀を持つブロンソン。
西部の馬を乗りこなす三船。
荒野の大地に
正座して飯を食う三船。
特に
三船がなにをやっても浮いてて楽しい。
ま、
物語のことも少しやらんといかんな・・。
この映画を観ているうちに
あるアニメを思い出した。
「ルパン3世」だ。
正直
モンキー・パンチはこの映画をヒントにしているかもしれない・・。
西洋と東洋の登場人物という部分以外にも
その3人の関係がよく似ているのだ。
つまり
一緒に協力して動いているのだが
お互いに
お互いを
隙あらば
殺そうとしている点だ。
元々
「ルパン三世」において
次元も、五右衛門も、
ルパンを殺す目的で
近づいて
一緒に行動しているところから
物語がはじまっている。
つまり
そこには
敵としての緊張感があるのだ。
ブロンソンとドロンも
仲間であったが
裏切って金を奪った。
そのドロンを
すぐに殺すな・・とブロンソン。
しかし
三船はそんなつもりはない。
この辺の
緊張感ある関係性は4年前に作られた
「続 夕陽のガンマン」に似ていなくもない。
あとに出てくるポスターにあるが
この映画の、
一番最初に来るキャストは
ブロンソンである。
映画自体も
ブロンソンが一番目立っている。
キャラ設定も、
ブロンソンが一番おいしい。
これは個人的な感想だが
ブロンソンというひとは
どんな役をやっていても、
どこか憎めないユーモアーが漂っている。
喜劇の要素など微塵もない
暗い映画で
ブロンソンが極悪な役をやっていても、
なんか存在自体が
憎めないのだ。
それは
三船のなかにもある要素で
このふたり、
実は
とてもよく似た資質の役者であるんじゃないかと・・
今回考えました。
そういう意味では
喜劇やユーモアーの雰囲気などかけらもない
見事にクールな
ドロンが
脇の悪党に回ったのは正解だったと思う。
「続 夕陽のガンマン」で言えば
リー・ヴァン・クリーフの役だろうか。
でもね、
今回、改めてこの映画を観て
おもしろい映画ってなんだろうな・・と思いました。
正直
ブロンソンや三船や、
ドロンに思い入れがなければ
やっぱり
これって変な映画・・・としかとらえられないと思うし
そう見られても
当然かなって思うわけ。
なんで
三船とブロンソンが
鞍を並べて荒野を走る風景に
わくわくするのか
わからないひとに
この映画が価値があるものかと言えば
それはやっぱり難しいわけです。
そういう意味でいえば
キャラになんの思い入れのない僕が
明らかに物語的に破たんしている「ダークナイト」のよさが
よくわからないのも
当然と言えば当然なのかな・・・と。
そういう意味では
僕のは映画評ではなく
ただの映画賛歌なのかもしれません。