
☆月光
I am God's child.(私は神の子)
この腐敗した世界に堕とされた
How do I live on such a field?
(こんなところでどうやって生きていけばいいの?)
こんなもののために生まれたんじゃない
1991年7月13日、札幌の新馬戦(ダート1000 m)でデビュー(6頭立ての2着)し、
翌週の新馬戦(芝1000 m・7月20日)で初勝利を挙げる。
さらに3連闘で札幌3歳ステークスに出走するも13着に敗れる。
5戦目の函館3歳ステークスでそれまでの徳吉孝士から東信二へ乗り替わり、
12番人気ながら2着となる。
6戦目のいちょうステークスで2勝目をあげ、
阪神3歳牝馬ステークス(現在の阪神ジュベナイルフィリーズ)でニシノフラワーの2着。
突風に埋もれる足取り
倒れそうになるのを
この鎖が 許さない
心を開け渡したままで
貴方の感覚だけが散らばって
私はまだ上手に 片付けられずに
明けて4歳(当時表記・現在の3歳)となった1992年も休むことなくレースに出走し、
初戦の2月2日のクイーンカップで重賞初制覇を飾る。
その後は牡馬クラシックのトライアル弥生賞にも出走したが6着。
この後桜花賞では2番人気に推されるが7着。
この頃と前後して、
億単位の身売り話が出て来たと言われる。
田原成貴との新コンビで臨んだ優駿牝馬ではアドラーブルの2着に敗れたが、
直線で一旦は先頭に立つなど見せ場を作った。
I am God's child.
この腐敗した世界に堕とされた
How do I live on such a field?
こんなもののために生まれたんじゃない
競走馬としての実績だけでなく、
過酷なローテーションで次々と重賞競走に出走したことで知られるサンエイサンキュー。
佐藤勝美厩舎の調教助手だった菅野年美は、
出走が相次いだ原因として
馬主の岩崎喜好が資金難に陥っていた可能性、
さらにサンエイサンキューのライバルであったニシノフラワーの馬主・西山正行への対抗心から
積極的レースに出走させることでサンエイサンキューの名前を売ろうとした思惑を挙げている。
岩崎はエリザベス女王杯に至る過程で
サファイアステークスとローズステークスという2つのトライアル競走に出走させる方針だったが、
主戦騎手の田原成貴は「ローズステークスは使うべきではない」と反発した。
菅野によると彼自身も出走に反対したが、
ローズステークスで2着と好走したことが
岩崎に「自分の言うことが正しい」と思わせることになったという。
なお、同レースは、田原成貴が馬に負担をかけないよう直線だけのレースに徹して
追い込みを決めたといわれており、
好走というよりは田原のファインプレーが光ったともいえる。
「理由」をもっと喋り続けて
私が眠れるまで
効かない薬ばかり転がってるけど
ここに声も無いのに
一体何を信じれば?
I am God's child.
哀しい音は背中に爪跡を付けて
I can't hang out this world.
(この世界ではやっていけない)
こんな思いじゃ
どこにも居場所なんて無い
菅野によるとエリザベス女王杯の直前は疲労の蓄積によって体調に変調をきたし、
トウ骨に痛みを訴えるようになったという
エリザベス女王杯の後、厩舎は休養を取らせるつもりだったが、
岩崎は有馬記念への出走を決断。
不愉快に冷たい壁とか
次はどれに弱さを許す?
最後になど手を伸ばさないで
貴方なら救い出して
私を 静寂から
時間は痛みを 加速させて行く
当時のサンエイサンキューに騎乗するとトウ骨が軋む音が聞こえ、
菅野と担当厩務員が
「あまりにむごいことをする」と涙するほどであったという。
菅野は有馬記念を「何とか無事に回ってきて欲しい」と願ったものの、
サンエイサンキューはレース中にトウ骨を骨折。
有馬記念におけるサンエイサンキューの骨折は
通常であれば予後不良で安楽死させられるほどの重傷であったが、
馬主である岩崎喜好の要望により、
レース後患部にギプス固定を施す手術を実施し、
延命措置が試みられた。
一命は取り留めたもののその後競走馬にとって致命的な蹄葉炎(蹄が腐る病気)を発症。4度の手術を施したが
結局心臓麻痺のため1994年10月に死亡した。
一連の手術に対しては「かえってサンエイサンキューを苦しめた」、
「あれだけ過酷な使い方をしておいて今更助けたいなんてオーナーの偽善行為だ」
との批判が根強くある。
ちなみに岩崎は
夏の札幌記念の勝利の後に、「使い得だったな」とコメント、
そしてサンエイサンキューが苦しみながら
死んだ後も、
現在もなお、
「競走馬はビジネス」と馬に愛護のない発言を続けている。
I am God's child.
この腐敗した世界に堕とされた
How do I live on such a field?
I am God's child.
哀しい音は背中に爪跡を付けて
I can't hang out this world.
こんな思いじゃ
どこにも居場所なんて無い