
チェ・ゲバラ(Che Guevara、1928年6月14日 - 1967年10月9日)は、
アルゼンチン生まれのマルクス主義革命家で、キューバのゲリラ指導者。
「チェ」はアルゼンチンのスペイン語(リオプラテンセ・スペイン語をはじめとする諸方言)で
「ねぇ君」などと相手に呼びかけるときに使う言葉に由来するあだ名である
(ゲバラは何かというと「ねぇ、君」と相手に声をかけていた)。
ラテンアメリカでは通常「チェ」
もしくは「エル・チェ」(El Che。el は英語の the に相当する定冠詞)と呼び、
「チェ・ゲバラ」と呼ぶことは少ない。
本名はエルネスト・ラファエル・ゲバラ・デ・ラ・セルナ
(Ernesto Rafael Guevara de la Serna)。
ウィキさんより
ここから、
次の写真の間は
この映画で描かれた部分の説明です。
映画を見る予定のかたは飛ばしてください。
そのあとの文章も、
ネタバレします。
まあ、オチがあったり
謎があったりする映画ではありませんが・・。
上陸後、反乱軍はシエラ・マエストラ山脈に潜伏し、
山中の村などを転々としながら軍の立て直しを図った。
その後キューバ国内の反政府勢力との合流に成功し、
反乱軍は徐々に増強されていった。
当初、ゲバラの部隊での役割は軍医であったが、
革命軍の政治放送をするラジオ局を設立するなど、
政府軍との戦闘の中でその忍耐強さと誠実さ、
状況を分析する冷静な判断力、
人の気持ちをつかむ才を遺憾なく発揮し、
次第に反乱軍のリーダーのひとりとして認められるようになっていった。
上陸から1年後の兵員増加に伴う部隊の再編成に際して、
カミーロやラウルらを差し置き、
カストロから第2軍のコマンダンテ(司令官)に任命され、
指揮権と少佐の階級を与えられ、名実ともにカストロに次ぐ反乱軍ナンバー2となった。
1958年12月29日にはこの第2軍を率いてキューバ第2の都市サンタ・クララに突入する。
多数の市民の加勢もあり、
これを制圧し、首都ハバナへの道筋を開いた。
そして1959年1月1日午前2時10分、
将軍フルヘンシオ・バティスタがドミニカ共和国へ亡命し、
1月8日カストロがハバナに入城、
「キューバ革命」が達成された。
闘争中の功績と献身的な働きによりキューバの市民権を与えられ、
キューバ新政府の閣僚となるに至った。
まず注目していたのは
どうやって描くつもりなのか。
スティーヴン・ソダーバーグが、
チェという人物を・・。
ある程度
想像はしていたが
やはりやった。
何を?
映画的な必要悪の完全なる排除。
僕の映画評で繰り返し言っている
この映画的な必要悪。
セリフによる不自然な状況設定の説明
主人公のあまり意味のない恋愛模様
あまり意味のない家族の登場
たとえば食事の支度をするだけの
母親や妻との絡みなど・・。
とにかく
それがなければ映画は成り立たないけど
映画を見過ぎた人間にとっては
また、はじまった・・と思わせるシーンやセリフ。
この映画は
それが一切ない。
それはもう乱暴なぐらいに・・。
だから
映画が始まる前に
短いチェという人物の説明が入る。
もちろん
日本の配給会社が作ったものだ。
なにせ
いきなり
はじまるから・・。
いきなり
革命軍からはじまるから。
というわけで
結論的なことを最初に書いてしまえば
この映画は
革命軍というのがどうやって作られるか・・
銃を握ったことのない人々が
どうやって政府軍と戦うか?
軍隊組織論から発展させる
人種論、そして人間論。
もう押井守が小躍りして悦びそうな展開であります。
かと言って
小難しい言葉で、
意味のない議論をするわけではありません。
もうただひたすらに
巨大化していく組織を
まとめながら戦うチェの姿を
描いていきます。
志願してきた農民の中から
銃を持っていて
役に立ちそうな人間を選択していく。
銃を持っているが
戦闘に向かない人間は
銃だけを貰って帰す。
行群をする。
やる気のない人間を帰す。
軍隊の中でのもめごと
あいつが俺のことを笑った、からかった。
その人間を呼び
事情を聴く。
そんなことまで
こまごまと描いていく。
ケンローチの「麦の穂をゆらす風」でも
描かれていたが
はとんど素人が
軍を作る上において問題となるのは
武器の調達と
軍事訓練であります。
その辺のところも
しっかりとかっちりと描いています。
やがて
完成されていく革命軍の中で
チェの存在が大きくなっていく。
前記した
映画で描かれた部分の文章は
映画の内容を説明した文章のコピペではありません。
チェ・ゲバラの生涯を書いた文章です。
それがそのまま
映画の説明になってしまう。
ドラマチックといわれる部分は
ほとんどと言っていいほどありません。
やがて
革命軍が大きくなり
進軍していく。
歓迎を受け
有名人になっていくチェ。
「革命が成功したら
お前を檻に入れて
見世物にして大もうけだ」
仲間に
ひやかされるほどの人気ぶり。
同時に
政治家となって
アメリカを訪問
TV、国連での質疑応答のシーンが
はさまれる。
すべてが
キューバに入国してからの
チェの行動を描かれる。
だから
チェを演じるベニチオ・デル・トロ以外
まるっきり頭に入らない
目立たない映画になってます。
元々
同じような髭を生やしているので
本当に区別がつきません。
と、いうか、
区別をつける必要がありません。
ポスターなどに女性が写っていますが
この映画では
ほとんど人間的なエピソードはありません。
ただの
助手です。
ここまで
実験的といえるほど
徹底的に過激な表現ができたのも
ソダーバーグの映画界における
権力ゆえだろう。
そうでなければ
こんな極端な映画が
撮れるわけがない。
この映画を見れば
チェについて知りたくなるのは必然です。
現に僕は、
リチャード・フライシャー監督、音楽ラロシフリン
オマーシェリフがチェを演じた「ゲバラ」が見たくなり、
「モーターサイクルダイアリー」を再見したくなり、
「チェ・39歳の別れ」の前売りを買っている。
もちろん
自伝も読もうと思っている。
まんまとソダーバーグの術中にはまったわけだ。
とりあえずベニチオ・デル・トロ、ファン
押井守ファン
そして
なにかをやらなくてはいけないと思っているひと
必見です。
それにしても
これほどアカデミーから無視されるとは
痛快である。
ま、
アメリカ帝国主義という言葉を
連発してますからね。