127「バットマン(1989)」 1 この映画は醜く変身したふたりの人間の戦いなんだ  | ササポンのブログ

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ブルース・ウェインとバットマンの二役に
マイケル・キートンがキャスティングされたことは、
前代未聞の激しい議論・・というよりは
非難が浴びせられた。
世界じゅうのバットマニアから
5万通の抗議の手紙が殺到
その拒絶反応は、
製作会社のワーナーの株価を落ち込ませた。

コミック・コンヴェンションでは
憤慨したファンが
映画の宣伝材料をズタズタに引き裂いた。

「道化をキャスティングしたことでワーナーとバートンは、
バットマンの歴史に小便をひっかけた」
ロサンゼルス・タイムスに寄せられたバットマニアの言葉だ。
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ティムバートン(以下バートン)
「いったいぜんたいなんで、
こんなシュワルツネッガータイプのでっかいマッチョが、
コウモリの扮装するんだい・・って考えてた。
マイケルキートンが
バットスーツを身につけるのは、
彼か巨大なマッチョじゃなくて、
そうする必要があるからなんだよ。
あれはまさに変身に関する映画なんだよ。

マイケルを採用して
かれをバットマンにすれば
分裂した人格ってものをそっくりそのまま強調することになるんだよ。

実際、それこそが
映画の主題なんだと思っている。

マイケルを見れば
彼は全く狂ってて
彼の眼の中にある荒々しいエネルギーが
彼にバットスーツを身につけずにいられなくさせていることがわかる。

僕はただ原作の精神に、忠実にやっただけさ。

僕が関心を持った部分は、
すさまじく悪趣味なコスチュームに扮装するのが
人間的なキャラクターだっていうところだった。」
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バートン「ジョーカーは外交型で
バットマンは、内向型。
だからどうあっても
両者の力を
調和させることはできない。
バットマンというキャラは
いつも影の中にとどまっていたい。
隠れていたいとおもっているんだ。

両者のキャラの違いは
どういうエネルギーを持っているかというところにある。
だから
この映画に関して
明るいとか暗いとか言うのはおかしいよ。

僕は
いつも明るさと暗さを
引き離すことなんかできなくて
そのふたつは
すごく絡み合ったものだと思っていた。
そう思いながら成長してきたし
いまもそう思っている。」
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バートン
「ジョーカーは、おどけ者なんだから、もっとおどける必要があった。
それがもっとおもしろくするためにそうするんじゃなくて、
それが彼のキャラなんだからそうする必要があったんだ。
ジョーカーは
最良のキャラで、最も純粋な悪党だ

僕は道化に変貌して狂っちゃった人物というアイディアが
もう本当に気に入った

狂気というのは
ちょっと恐ろしい形ではあるけど
人間の持ち得る最大の自由だよ。

社会の掟に縛られていないってことなんだから


この映画は
ふたりのフリークの決闘を描いているようなもんだ。

醜く変身したふたりの人間の戦いなんだ


「バートン・オン・バートン」より抜粋



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