「蟲師」 アニメ・シリーズ 全話レビュー開始宣言・・になってしまった | ササポンのブログ

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最初に、ことわっておきますが
これは
アニメシリーズ、そして
それに繋がる漫画の「蟲師」評であって、
けっして
大友監督の出来の悪い実写版の評ではありません。

でも書きだしは、
実写版「蟲師」のこと。
テーマは「なぜ実写版、蟲師が失敗したのか」
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根本的な間違いは
上映時間にあります。
2時間強・・。
もうそれだけで
この漫画を読み違えているとしか思えない。
この物語のよさが
わかっていないとしか思えない。

この漫画には
ストーリーがありません。
正確に言うと
ストーリーを作り上げるためだけの
無駄がありません。

ストーリーを作り上げるためだけの無駄とは
一体、蟲師のギンコは
どういう生まれで、
どういう育ちをして
蟲師になったのか・・という過去の話とか
ギンコの恋愛話とか
そういう話がありません。

ただ現象だけがあり、
その原因は蟲であり
それを
蟲師のギンコが解決する・・・
ときには解決できないときもある。

それだけ・・。

ストーリーを作り上げるためだけの無駄
と書きましたが
普通の物語は
それがあってこそ
キャラクターの肉づけや
世界観の説明ができるわけで
本当は無駄ではないのですが
あまりにも映画やアニメやマンガを見過ぎていると
それらのエピソードが
「またはじまった」的な気分になってしまうんです。
つまり無駄というよりは
ストーリー上の必要悪・・ですかね。



このアニメの
そのストーリー上の必要悪を排除して
描かれる現象というのが
物凄く魅力的なのだ。


その現象だけで
時には
哲学一冊分の思想から
絵画一枚分のイマジネーションが
導きだされる・・。


それゆえに
この漫画の実写化の
上映時間は長くても1時間。
最適なのは30分。

それができないなら
オリジナルで
ストーリー上の必要悪をきっちりと創作して
一つの現象について徹底的に描くべきだった。

ところが
実写版は
すべてを中途半端にやってしまった。
ストーリーも中途なら
現象も乱発・・。
腐るほど映画を観て
漫画を読んでいるであろう
大友監督も、
現象のみですべてを見せる世界観に感心して
このマンガの映画化を引き受けたであろうに・・。


アニメの世界に移ってから
大友監督がいつもやらかすミスをまたやってしまった。
脚本の不備!!
あれほどの才人なのに
本当に大友監督は
脚本が読めない・・。
唯一成功作「アキラ」にしても
原作が素晴らしいのであって
アニメは、
そこに乗っかり、さらに
増幅させただけである。

頼むから
大友監督は漫画に戻ってほしい
そして
漫画で描いてから
アニメにしてほしい・・。

話がそれました。
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僕が
一番最初に観て
あまりの素晴らしさにしばらく呆然としてしまったのが
第2話の「瞼の光」というエピソードです。

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瞼を閉じた時に見える、闇の中の光。
そして、ふたつめの瞼を閉じた時、上の方から本当の闇が降りてくる。
ふたつめの瞼に棲む蟲が光を奪うと、
そこには本当の闇と光の河が流れる。

光に触れると眼に異常な痛みを感じるようになった少女、スイ。
彼女は
光を遮断する蔵に住むことになった。

その蔵を持つ家の息子で
スイの世話をしているビキ。

スイが言う。
「眼を閉じて・・なにが見える」
「小さな・・なにかが・・光みたいなものがみえる。」
「それは瞳が、瞼の裏側を観ているから・・でもね、ふたつめの瞼を閉じると
本当の闇が見えるよ」
「出来ないよ」
「ビキは不器用ね・・」

瞼の奥に、ふたつめの瞼。
それを閉じると
本当の闇がみえる・・・。

これを聞いた途端
僕の腕には
鳥肌が走った。

もの凄い現象設定ではないか・・。

そのふたつめの瞼には
蟲が住み
光を奪い、本当の闇・・

そして

蟲たちによる光が見える・・。
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これだけの設定でも
ストーリーの必要悪をつければ
シリーズが出来上がるし
その思想世界は
本一冊分になる。

暗い蔵の中で
少女が瞼を閉じるだけで・・・
これだけの世界観ができてしまうのだ。

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しかし
このアニメは
この贅沢な設定を
25分ほどの
現象説明と解決だけで
あっさりと終わらせる。

なんという贅沢な・・・
なんという欲のない・・

とても信じられない・・。

アイディア不足で瀕死状態のハリウッドに
聞かせてやりたい・・
ま、
理解できないであろうが・・。
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蟲(むし)
「みどりもの」とも呼ばれ、
この世のあらゆる生命よりも命の源流に近いもの。
そのため、死んでも骸は残さない。
「生」と「死」の間、「者」と「物」の間にいるもの。
陰より生まれ、
陽と陰の境をたむろするモノ共の事など、
様々な例え方がある。
人の中には見える者と見えない者がいるが、
稀に全ての人間に見える種類も存在する。
その生態は未だ謎が多く、
専門の蟲師であってもまず怪異の原因である蟲を探し出し、
研究しながら解決策を模索することのほうが多い。
その姿形等は多種多様で、
動植物型のものやどちらともつかないもの、
虹や火など自然現象に近いものまで様々(これらは、作中言うながれもの)で、
姿形は違えど実際の生物と全く同じ性質を持ったものすらいる。
ウィキさんより


あの・・・・
すいませんが
いま、
思いつきました。
突然ですが
このアニメシリーズ、全話、レビューします。
と、いうことで
また新コーナーです。

ほんと
いま、思い立ちました。

思い立ったら吉日です。
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