
最近の宮崎アニメは嫌いだが、
これは好きだ・・というひと、
結構、いると思う。僕は
最近のも好きだが
やはり
これと「ナウシカ」は別格だと思う。
これは宮崎駿と大塚康生という
ふたりの天才アニメーターが作り上げた
動きを極めつくしたアニメであります。
大塚 康生(おおつか やすお、1931年7月11日 - )は、島根県出身のアニメーター。
東映動画アニメーター第一期生。日本におけるアニメの創生期から第一線で活躍。
宮崎駿、高畑勲と組み
『太陽の王子_ホルスの大冒険』『ルパン三世』『パンダコパンダ』『未来少年コナン』
『じゃりン子チエ』などを手がける。
演出担当時に鈴木一というペンネームを用いたことがある。
元麻薬Gメンという異色の経歴を持つ。
英語や中国語にも堪能であるらしい。
東映動画では直属の上司として新入社員・宮崎駿の指導育成に当った。
このシリーズが宮崎駿の原点でもあり、
ある意味では、
このシリーズに彼のすべてがあると言ってもいい。
もし「ナウシカ」がなかったら、
僕は
宮崎アニメは、
このシリーズの呪縛から
一生抜けられなかったのではないかと思う。
それは
大塚康生の呪縛でもある。
とにかく、このアニメシリーズで
最も目を引くのは
動きである。
どれほど
優秀な作画ソフトが作られようと
絶対に
作り上げることができない、その動き。
生物と機械が持つ動きのダイナミズムを
知り尽くしたふたりが
制限されたセルの枚数の中で
可能な限りに
アニメの動きを突き詰めた。
その動きの極限を体現していたのは、
主人公のコナンと野性児ジムシーだろう。
最初の出会いでの
ふたりの力比べに追いかけっこは
もうどんなアニメーターをも
絶対、描きだすことのできない
動きの極限であります。
これぞ、正しいガキの喧嘩であります。音は悪いけど、観てくれ!!
のちに
「カリオストロの城」で
このコンビが再現した
ルパンと次元が並んで走る有名なシーンも
ここでは思い切り展開されます。
この作品を観ると思いだされる
宮崎アニメがあります。
「天空の城ラピュタ」
少年が主人公の冒険活劇アニメ。
この映画のパズーと
コナンを比べると興味深いです。
このシリーズのコナンの造形を主に担当していたのは
大塚康生だったそうです。
このコナンという少年
とにかく野性児・・野蛮人に限りなく近い少年。
恐らく彼は、
生まれて初めてかわいい少女、ラナを観て
発情したのだろう。
そして
発情したまま
ただ、ただ
もう
死に物狂いでおっかけ回す。
その死に物狂いぶりは
その辺の恋愛ドラマ、
いや
ストーカードラマなんか眼じゃないぐらい
死に物狂いだ。
なんせ
ラナを追いかけて
空飛ぶギガントの上を走りまわり、
ぶち壊してしまうのだから
その発情ぶりは
恐ろしいほどである。
それに比べて
パズーは極めて普通の少年である。
宮崎駿は、
その普通の少年が冒険に出るところを描きたがったのだろうが
冒険活劇の主人公としては
やはり先天的発情少年のコナンのほうが
上であった。
結局
パズーは、
先天性欲ボケババアの
ドーラにケツを蹴られて
やっと動き出したのだから・・。
ちなみに、このラナの担当は宮崎駿だったらしい
もう完全に宮崎駿のヒロインである。
このロボノイドは
このシリーズに出てくるレトロなメカの最も象徴的なものである。
このロボノイドの操作の単純さは感動的である。
3本のレバーを前後させるだけである。
それで
手足のあの複雑な動きを操作するのである。
わかりやすい!!
そう・・
このふたりが作りだす動きの
もうひとつの特徴は
わかりやすいということだ。
スピードを保ちながら、
けして
複雑ではない。
それはつまり
子供でも楽しめるということなのだ。
ストーリーを取り上げて
解説をはじめると
また一回だけでは終わらなくなるのでやめます。
とにかく
観なくては話にならないアニメです。
もし「ラピュタ」が大好きなひとはこのアニメも観てください。
この二本を比べると
宮崎駿が、
大塚康生からなにを学び、
そして
それをどういうふうに
変えようとしていたのかが
よくわかります。
ま、そんなひねくれた見方をしなくても
もう十分に、
いや、
めちゃくちゃに楽しめるアニメであることは保証します。
ちなみにジムシーが買っていた豚の名前は
「うまそう」ヾ(@^(∞)^@)ノ