「僕たちはコンビじゃなく、トリオだったよな」
「ああ・・」
字幕・・ふたりを引き合わせたのは、ジョージロイヒル監督だった。
レッドフォード「ふたりでもう一度、共演する話はあったけど、監督がね。
ロイヒルほどのひとはいなかった」
字幕・・ロイヒル監督は、2002年に亡くなっている。
レッドフォード「それでその話はなくなった」
ポールニューマン「君に時間を守らせることができる唯一の男だからね」
レッドフォード「(苦笑)・・」
ニューマン「遅刻したら、彼の飛行機に乗せられるんだ」
レッドフォード「これが怖いんだ・・」
レッドフォード「会いたいね・・」
ニューマン「ああ・・」
この対談を観ていると
ニューマンを失ったレッドフォードの淋しさが
想像できる。
ロイヒルを、シドニーポラックを
そしてニューマンを失った・・。
ほんと、レッドフォード、寂しいだろうな・・。
レッドフォードのサンダンステレビの製作なので
ニューマンの慈善事業に関する映像や話が多い。
冗談ではじめたドレッジング会社。
毎年、みんなにただで配っていたが
もっと欲しいと言われて商品化。
「まさか1年目から収益が出るとは思わなかった。」
収益は、すべて寄付。
難病の子供たちのための無料のキャンプ場。
「僕たちは、幸運だった。だからそれを世間に還元しなくては」
レッドフォードのサンダンスフィルムも、そうだが
その事業は完全に、
足が地についている。
明らかに反ハリウッドである。
言っては悪いが
どこかの脚本を読んでいると眠たくなる女優さんのそれとは
完全に違う。
「若い頃、おもってたんだよ。どうして俳優は、年をとっても世間に顔を晒すのかって・・。
若くて美しい時のイメージのままのほうがいいのにって・・。
でも僕は、いま、80歳の自分の姿をそのままさらしている・・。」
つくづく思う
このふたりは絶対に、
顔、いじってないな・・と。
自然に老けている。
不自然なところがない。
特にレッドフォードは
びっくりするぐらい老けをそのままさらしている。
なんか
その顔自体が、ふたりの生き方のような気がする。
最近のふたりの顔しか見ていない若い人は
若い頃の映画を見ると
新鮮な驚きがあるだろう。
本当に
ふたりともかっこよかった。
美しかった。
でも
いまのふたりを観ていると
さらにふたりが好きになる。
いや・・違った・・いまじゃないんだ・・。
もうニューマンはいないんだ・・。