



いや、もう何が驚いたかと言えば
この映画の原案者である。
監督のレオーネ以外に
Dario Argento ダリオ・アルジェント
Bernardo Bertolucci ベルナルド・ベルトルッチ
このふたりが
旅館で炬燵に入って
この物語を考える・・ありえない。
僕が想像するに
ダリオ・アルジェントは、
ブロンソンの兄の殺され方のアイディアを出しただけだろう。
あくまでも想像ですけどね。
だって
この3人が雁首そろえて
考えるような複雑な話じゃないではござらんか?
桁違いの映画です。
なにもかもがケタケタ笑えるほどの
桁違い。
まずいきなり冒頭から
桁違い。
13分強。
なにがって、冒頭のブロンソンの銃撃戦まで
13分。
その間
観客はなにを見せられるって
この汚い・・・本当に正真正銘、汚いオヤジ・ガンマンたちが
駅のホームで
銃口に蠅を閉じ込めて、
喜んでいるさまを
見せられる。
前日、娯楽映画の基本というのは
状況説明を手早くおもしろくすること・・と
書いたのに、
この映画はそれを真っ向から
否定しやがった・・。
ここで
レオーネファン以外はいきなり驚く・・というよりは呆れる・・というよりは・・引く。
さらになにがけた違いかと言えば
ヘンリーフォンダーの下膨れ・・いや・・
悪役ぶりである。
はつきり言って
徹底的である。
この悪役ぶりは映画史に残るといっても過言ではない。
子供を殺すなんてのは朝飯前・・。
ただ殺すのはつまらない。
いたぶつて殺さなくてはいけない。
前に書いたブロンソンの兄の殺され方などは
もう完全にアートである。
絵柄を考えて殺したとしか思えない。
さらに桁違いなのは
クラウディア・カルディナーレのエロさ
僕は
この映画の、
クラウディア・カルディナーレの
立ち姿から
顔から胸から
ありとあらゆるすべてが
エロのビーナスだと観えて仕方がない。
だから
彼女の役柄などどうでもよかった・・というよりは頭に入らない。
レオーネは絶対
彼女に惚れていた・・いや発情していたに違いない。
そして
ブロンソンのハーモニカである。
これが
これこそが
レオーネが
他の映画監督と違うところだ・・。
13分も待たされた挙句に
やっと訪れた緊張の場面で
いきなり
ブロンソンが
ハーモニカを吹きやがった・・。
そのメロディがまた
死ぬほど美しい・・。
本当にここで完全に普通の感性の観客は
映画から蹴り飛ばされる。
ここで
ひゃあひゃあ、わくわくしたひとは、
映画的感性が発達しすぎて
世間からはみ出したひとだけだ。
つまり僕のブログを読んでいる君ですね・・。
いい加減、この映画の物語の説明をしろって・・・
いいじゃん、そんなん、どうでも・・
よくない?
じゃ、まあ、
一応、書きます。
コピペだけど。
西部に初めて鉄道が敷かれようとしていた頃……。アイルランドから移住して来たマクベイン(F・ウルフ)は、この荒野に大きな夢を抱いていた。そして、彼は砂漠を買い、ニュー・オリンズにいる婚約者ジル(C・カルディナーレ)を呼ぶ準備をした。その彼の地権を狙う二人の悪党がいた。鉄道局の役人モートン(G・フェルゼッティ)と、ガンマンのフランク(H・フォンダ)である。そこへ、フランクを捜して一人のよそ者(C・ブロンソン)がやって来た。彼は“その男"と呼ばれた。もの凄いガンさばきとハーモニカのうまいのが特徴であった。彼と同じ馬車でジルもやって来た。彼女はマクベインに呼ばれて来たのだった。しかし、その時すでに、マクベインはフランク一味の銃弾に倒れていた。この事件は、混血児のシャイアン(J・ロバーズ)のしわざということになったが、居酒屋で“その男"に出会ったシャイアンは、犯行を否定した。一方、法的な利権がジルに与えられると知ると、フランクは彼女を狙いはじめた。
はい、goo映画さん、ありがとうございましたね。
あと何がけた違いかと言えば
レコード、CDの多さ。
これがそのジャケットの一部です。
同じ絵柄を含めて53枚ありました。
恐らくもっとあるのでしよう。
音楽のモリコーネに関しては
今更
僕がどうこういう必要はありません。
あまりにも巨大すぎて全体像が見えない
いまだに膨張を続ける
化け物です。
この映画の彼の音楽は
美しすぎて発狂してます。
とてもじゃないが
生命保険のCMには使えません。

昔、筒井康隆さんが
日本人は自分の観た映画とか、聴いた音楽を
文章で再確認したがる傾向にある・・と書いてました。
つまり映画なんてのは観ればいいんであって、
音楽なんてのは生で聞けばいいのである。
確かにその通りで
ただ
そんなことを言ったら
こんなブログなんてなんの意味もないわけなんだけど・・。
ただもしこの文章を読んで
この映画を見たいと思った人に
最後の助言です。
この映画は、
己の映画的な感性をすべてぶち壊す覚悟でみてください。
他の優れた映画監督の作品もそうなのですが
このセルジオレオーネというひとは
さっきから何度も書いていますが
桁が違います
特にこの作品は
タガが外れてます・・。
そのタガの外れ方が
たまらなく映画なんです。
すべてが
映画的感性にあふれています。
そして
観終わった後
普通につぶやいてください。
なんだよ・・普通のウェスタンじゃん・・。
その時点で貴方はもう普通の映画ファンではなくなります。
完全に世間からはみ出た
半分黄色い救急車に足を突っ込んだ
素敵な僕らの仲間です。