
怒っているわけです。
なにがって、この映画の評価についてであります。
この映画の評価があまり高くないということを
kazzpさんのブログで知り
まさかと思ってインターネットでいろいろ読み
画像を探していて、
それが事実なことが判明しました。
画像の数というのは
その映画の世間の認知度がわかります。
それはつまり
この映画に対する世間の評価であります。
この映画のスチールは一枚しかありませんでした。
それも
なぜか
このブログにはアップできないサイズのやつです。
すべて
ポスターとか
サントラの写真だけです。
怒りを書くのは、
とっても好きなんだけど
時々、心無い意味のない悪口になってしまうので
ここは
大人になって
この映画の素晴らしいところを
徹底的に
呆れるぐらいに
冷静に書きます。
どうせ写真がないし
連休なんだから書いて書いて、
書きまくってやります。
ブヒヒヒヒヒン!!

1908年の西部。
デンバー・ポスト新聞の主催による過酷なレースが始まろうとしていた。
それは、人間と馬による、踏破距離700マイル、賞金2 000ドル、
馬を乗りかえることは出来ず、
行く手には山あり谷あり砂漠ありという定められたコースを6日半で踏破する死のレースだった。
馬を乗りつぶしたり事故にあったりしたら生きては帰れない。
出場者8人が各地から集まった。
映画をたくさん見ていて
映画の構造というのを知りたいというひとは、
いますか?
いま見ている映画のシナリオがよく出来ているものか
どうしようもないものか判断したいというひとは
同じ映画を2回目に見るときにやってほしいことがあります。
映画というのは、
冒頭で
その映画の状況設定、世界観、
そして登場人物の性格を
紹介します。
出来のいいシナリオというのは、
これを短い時間に
的確にやってみせます。
たとえば「七人の侍」
冒頭、野武士がきて、「取り入れが終わったらまたくるか」といい、
それを聞いた農民が爺さまのところに相談。「腹減った武士をやとうべし。」
これで状況設定の説明終わりである。
つまり優れた映画というのは、
いろいろな設定を
いかにして
早く的確に説明するか・・。
もしこの状況説明が終わったなとおもった時に
時計を見てください。
これが早ければ早いほど
それは
優れた映画です。
特に娯楽映画は、
早ければ早いほど
おもしろければおもしろいほどいい。
この「弾丸を噛め」という映画は、
約30分ですべてを済ませます。
これだけの時間で、
このレースのルール説明
そして主要登場人物5人のこのレースに参加する理由
いままでの人生、
性格まですべての説明を
見事に
おもしろく、やってのけます。
おまけに
このレースに浮かれる人々の姿まで描きます。
テクニックとしては、
馬を運ぶ列車に全員を集めて説明するという
極めて基本的なものです。
しかし
主人公だけは、
その列車に乗り遅れます。
これはもちろん
物語の伏線にもなり、
のちのちにわかることですが、
この映画のテーマにまで繋がっていきます。

監督のリチャード・ブルックスは、
脚本、製作も兼ねています。
恐らく脚本は
最低20回は書き直していると思います。
もちろん
頭の中の推敲は無限大の回数です。
シナリオの推敲は、
もう徹底的な切り落としです。
切って切って
切りまくる作業です。
もういいだろうと思ったところから
また10回は遂行します。
映画というのは
無駄が一切いらないんです。
優れた映画というのは
無駄が一切ない映画です。
無駄自体を楽しむ映画に見えても、
それは、その映画にとっては無駄ではないんです。
この映画は冒頭で無駄なく観客を引き込みます。
カウボーイのサム・クレイトン(ジーン・ハックマン)
馬をこよなく愛して、
馬を酷使するこのレースには
懐疑的だった。
しかし
結局
参加することになる。
彼の友だちの皮肉屋の賞金稼ぎルーク・マシューズ(ジェームズ・コバーン)
人生そのものが
ギャンブルだと思っている男
もちろん
このレースにも賭けている。
ミスターと呼ばれるカウボーイ(ベン・ジョンソン)
名声に憧れる若者カーボーイ(ジャン・マイケル・ヴィンセント)、
乗馬を愛する英国紳士ノーフォーク卿(イアン・バネン)、
メキシコ人(マリオ・アルテアガ)、
馬術家リー・クリスティー(ロバート・ホイ)
そして紅一点、ミス・ジョーンズ(キャンディス・バーゲン)
それぞれが、
それぞれの思いと事情を持って、
レースはスタートする。

昔見た時はそれほどでもなかったけど
この歳になって染みるのがベン・ジョンソン演じる老カーボーイ。
いろいろな職業につき、
いろいろな目にも遭ってきた
体はボロボロ
家族はいない。
このまま無名で死ぬよりは、
命がけで闘って有名になりたい。
名声がほしい
金もほしい・・。
老いたカーボーイのつぶやきは
僕の人生に重なって切ない・・。
そして
虫歯で地獄の思いをしたことのある僕は、
歯痛で顔を腫らしながら
馬に乗るマリオ・アルテアガの姿に
もう実感を超えた同情を寄せた。
あの苦しさは味わったものだけしかわからない・・。
ここからは、
もうネタばっかりの
ワクワクな展開なので、
書くのはやめます。
数ヵ月後に
この後の物語の優れた部分を書いて
動画を張って
アルティメットバージョンにして
再アップします。
ここまで読んで
この映画を見てくれる人が
ひとりでもいると信じて
ここまでにします。
でもきっとレンタル屋にはありません。
だから
またBSとかでやるときには
知らせます。
観てほしいです・・。
ひとりでも多くの人に
この大傑作を。
ちなみにこの映画のテーマは
「マイペースで歩め」
だと思っています。