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それにしても何故私は丸山に固執したのか。

 
母方の祖父が村会議長をやっていたらしい。母の自慢であり寝物語でよく聞かされた。政治は大切なもの、世の中の役に立つもの、立派な仕事である、などである。自分には無理だという気持ちと漠然とした憧れが生じた。もう60年以上が過ぎた。
 
サラリーマンになり20年が過ぎたころ、このままでいいのか、何かし忘れていることはないか。半分が過ぎたぞ、などが頭に過り始めた。結局仕事を続けながらそれほど拘束されずに本が読めて、やがて卒論にたどり着けるのは何か、それは通信教育であるという結論になり、仕事場のロケーションから慶応にした。
 
福沢図書館の館長をされた寺崎教授のご指導を受け、卒論のテーマは 「 津田左右吉にみる公共精神 」 とした。津田事件への丸山のからみから津田が引っ張り出され、寺崎先生も関心をお持ちだったのかもしれない。私の考えでは丸山、津田、網野善彦、加藤周一等の歴史観を比較できればそれが卒論になると考えていたが、ゼミで否定された。修士のレベルだと言われた。先ず卒業しなさいと。以上が経緯である。
 
固執した直接の原因は、学生時代に全く読めないほど難解であったということだ。「 現代政治の思想と行動 」 (白水社)は2ページも読めなかった。しかしあとがきにあった 「 これからの学問は学者ではなく市井の人々の日々の学習が引っ張る 」 という言葉が頭に沁み込んだ。救われた、一生の中でいつかやれる時が来るかもしれない。評論家というよりは本質を捜す求道者の匂いがした。