東大法文１号館の中規模の教室に、丸山ゼミのメンバー２０名ほどが丸山を囲んではじけんばかりの笑顔で写っている写真がある。戦後すぐのもので丸山眞男集のどこかにある。この写真にこの時代の若者の心情がよく表れている。
丸山氏が亡くなる直前に、岩波が丸山眞男集の予約購読を始めた。すぐに申し込んだ。この出版物で丸山氏の全体像に触れることができる。また古典と言える 「現代政治の思想と行動 」 これらの書物が私の蔵書である。また津田左右吉は 「 文学に現れたる我が国民思想の研究 」
と全集である。
さて丸山であるが、学徒出陣からの帰還兵や若者に「 何故だ 」 という基本的な疑問に答えたり考え抜くヒントを提供しようとしたのではないか。更に新しい時代を切り開き建設するための知的欲求の受け皿になろうとしたのではないか。
考える力を教え込もうとしたのだ。現代において最も不足している課題である。面倒臭いことでも考え抜かねばならないのだ。