『出発前日準備説』
8月13日(水)
僕は京都が好きなのである。鎌倉も好きなのだが京都も好きなのである。大学受験の頃、日本史という科目を選択してからの付き合いだ。事実(とは言っても誰も知らないか)、大学生の頃は長い休みになると京都によく行っていたものだ。
常々、僕は(機会があれば行きたい!いや、機会が無くとも行きたい!)と胸に熱い想いを秘めているのである。
5月の下旬のとある日。相棒のAさんが友達の結婚式に出席するため、8月14~18日の夏休みを利用し彼女の実家のある京都に行くことになった。
「あなたも京都に行く?」
「行きたいんですけど‥」
「移動費はいらないけど、青春18切符だよ?」
「構いません!」
「手伝ってくれるなら宿泊費も出すけど‥」
「何でもします!!是が非でも手伝わせてください!!!」
と、全面的に「!」が語尾に付く展開になり、何でもしますの心境で僕も「京都に行く」という所だけ参加させてもらうことになったのである。
身辺が急に慌しくなった。
話は変わるが、最近『B型 自分の説明書』(題名、正しいかな?)なる血液型の本(当然AもO等もある)が売れているという。あの手の本を読んだ試しは無いが、どうなのだろうか?血液型占いなどには科学的根拠はないというのだが。
僕はB型なのだが、一般的にB型というと‥①おおらかな心の持ち主で明朗な性格②マイペースな性格③お金にだらしない④物事(恋愛面含む)に一貫性が無い等が挙げられると思う(他にもあるのかもしれないが僕は知らない)。
僕自身だけに言える事だが、当たっているように思える。上に挙げた④については何ともいえないが①~③については当てはまっているような気がしないでもない。
話を戻そう。
身辺が急に慌しくなったものの、元来、何をするにしてもギリギリにならないと重い腰を上げない僕は前日まで何の用意もしなかった。
こういう時に人はどういう思いを抱きながら用意をするのだろうか。僕には何日も前から念入りに準備をする人の気が知れない。何か忘れ物があるかもしれないし、旅行に持参する食べ物なども前日の方が新鮮美味であることに間違いは無いのだ。
それにも関わらず、こういう人は一週間前から洋服は入れたし本も入れた、切符は3日前に購入して、お菓子は前日、弁当は当日に買って‥などとやっておきながら、いざ前日になると必ず最終チェックと称して1度詰めた物を全部また出して確認するのです!ドンドン(机を叩く音)
少し落ち着こう。
いざ、用意を始めると以外に持っていくものが多いことに気づく。
Aさんが友達の結婚式で着るドレス、2次会用も含めると2着。ヒールの靴。4日分の下着などなど。僕の分も含めるとかなりの量で、青春18切符で鈍行列車に揺られゴトゴトと京都に向かう身としては、かなり肉体的にキツイことが予想された。
「ひとつのトランクにまとめて、宿泊先のホテルに送ってはいかがでしょうか?」
宿泊費・旅費を全面的に支援してもらう僕としては言葉も重々しくなるのである。
「でも、いつ着くの?」
至極全うな疑問である。
彼女の披露宴出席は17日である。しかるに本日は13日。本日の夜に出しても集荷は明日だろうから、明後日には到着するだろうと申し述べた。
「だから早くから準備してって言ったじゃない」
「いつもいつも間際になってやるからバタバタするんでしょ」
配送のためにコンビニへ向かう道中、『確固たる主従関係』という言葉が頭を巡る。僕としては出発前日準備説には自信を持っていたのだが、反論はしません。理不尽な要求にも答えます。
ふぅ。
ため息とともに、夜も更けた住宅街の中にゴロゴロとトランクの音が響くのであった。