おはこんにちソバ!!!ズゾゾゾゾーーーー!!!
手繰ってますか?!?!!シンプルにズゾゾゾゾーーーー!!!!
いやぁ、最後ですね。
蕎麦という日本古来の長く親しまれてきた食べ物に焦点に当て
地域と食に興味を持つように書き綴ったこのシリーズ。一旦終了です。
いや~100杯の道のりは長かった。ホント長かった。
イベント前に行ったり、自転車で長い道のりを走ったり、探偵業を行っている最中など
色んなシチュエーションの中、取材して来ました。
本当に“積み上げてきた”という感じです。
写真を見ると、どれも当時を思い出しますね。
というか、どの蕎麦屋も思い出と紐づいたものが多かったです。
今回、ラストの回は原点に帰り
“食は年齢問わず万人が受け入れられる物であり、その地域を知ってもらう観光資源でもある”
これを強く意識して書こうと思いましたが…
はい、結果はいつも通り。昔の話を交えつつ、気持ちを込め過ぎてお送りしてます。
ワタクシが体現したかった地域貢献の集大成。…のつもり。
最後までお付き合いください…!
94杯目 『新和そば』
という事で新宿区西新宿の小田急エース内にある、新和そばにやってきた。
京王線の京王百貨店口改札から少し歩いた所にある。
ここも久々だなぁ。
電車で新宿に来た際はよくここを通るので、実は昔から通っていた立ち食い処の一つである。
この新和そば…物心ついた時からあるのだが…何十年営業しているんだろう?
調べた所、新宿小田急が出来た当初から存在するようで創業50年近いとか。
おわ!超老舗ではないか!
京王線を利用する人々の腹を50年間も満たし続けてきたのか…これは凄い事だよ。
このお店での思い出は…やはり、にしんそばだな。
にしんそばの存在を初めて知った場所であり、にしんそばを初めて食べたのもこの場所なのだ。
天ぷらそばしか分からない、立ち食いと出会った間もない頃に
初めて天ぷら以外の表記を見て、なんとなく頼んだっけなぁ…。
甘い、あのにしんの甘露煮の衝撃は今でも忘れられない。
あの甘さと味がつゆにもそばにも合う、あの感じ。魚ダシと魚本体。合わないハズがない。
天ぷらそばの味しか知らなかった、若かりしササローは心底惚れ込んだ。
なので新和そばに来る度、にしんそばしか食べてなく“にしんそばの店”という認識しかなかった。
ちなみに。
これだけ、にしんそばの話を引っ張ったが…今現在はメニューにない。嘘でしょ…?
・あじ天そば+炊き込みご飯
思い出のあの味はもうない。そう悟った券売機前のワタクシ。
ああ、この思いをどうしたら。
にしんのジェネリック。そう、代わりの何かが欲しい。無性に魚系が食べたい気分。
何でこの思いを満たせるのか。魚を丼中央に鎮座させたい。どうしても。
どう頑張っても、にしんの変わりは務まらない。だが、せめて魚の何かを。
イカ天、これじゃあない。小海老かき揚げ、これでもない。
あじ天…む!あじ天あるじゃない。ハマった。心の隙間にちょっとハマった。
まだ心に隙間がある。満たしたい。どうしたい、ワタクシ。
更に探すと…炊き込みご飯があるな。
というか…炊き込みご飯!?地味に好物が来たな。立ち食いには珍しいし、渋いな。
あじ天そばに炊き込みご飯…わああ…うふふ…。
にしんそばの思いは一気に消し飛んだ。
食券を渡し、待つ。
うん、この狭さ。変わってない。全く変わってない。
肩を寄せ合いながら、立って食べる。これが新和そば。
そして到着。待ってました。即座に手繰る。
うん、立ち食いらしいコシの弱いそば。ゆるい。これでいい。
昔、食べた時もこんな感じだったなぁ。
つゆはかえしの効いたつゆ。オーソドックスな関東の立ち食いのつゆという感じ。
そして味なアジ天。不思議と高級感もプラスしてくれるアジ天。すき。
炊き込みご飯。
一口食べれば、あの味。想像通り。美味い。これでいい。
素朴な旨味と香り。具材が少なめなのもポイント。
本当の滋味さを味わえる。泣ける。これは玄人好み過ぎる。泣ける。
そばとカレーの組み合わせが支流だが、炊き込みご飯の方がつゆの風味とぶつからないので
そばのお供としては本当はこちらが最適だなぁと思う。
カレーはカレーでいいのだが、一度口にすると強力な風味故に
その後すべての物に対して、どことなくスパイスの風味を纏わせる事になる。
純粋に味を楽しみたいのならば、やはり炊き込みご飯か稲荷がベスト。
何十年も変わらぬ場所で久々の味。
途中から喜びと懐かしさで味が段々分からなくなっていた。
つくづく、新宿の立ち食いにワタクシのルーツがあるなぁと実感した。
感動って大切だ。そしてその感動を忘れない事も大切だ。
感動の経験がこそがその人を形作る。
ご馳走様でした!
95杯目 『海員生協大桟橋店立ち食いコーナー』
はい、そばを食べる為だけに横浜に参りましたよ。
見て下さいよ、船ですよ船。立ち食い記事なのに船ですよ。
横浜港大さん橋国際客船ターミナルが見える、そんな場所に実は立ち食い処があるんですよ。
という事で横浜市中区にある、海員生協大桟橋店立ち食いコーナーにやって来ました。
見て、この貫禄のある外観!!!
名前も良いよ!!!〇〇屋とか〇〇そばとかじゃぁなくて!!!
コーナーよ!!!コーナー!!!!!熱過ぎでしょ!!!!!!
喫茶室、コインスナック、そしてコーナー!!!コーナー良過ぎでしょ!!!!!
店をコーナーと呼称する表現すっき!!!!!!!!!!!!
怒られそうなのでここらで止めておく。
手早く食べれそうな簡素な食事処という感じ。こういうの大好き。
店の名前に海員生協と書いてあり、港湾関係の方専用…?という訳ではなく
実は一般の方も入れたりする。そんなちょっとレア感のある感じも痺れる。
とりあえず中に入ってみよう。
・唐揚げそば+ミニカレー
店内は狭く、立食スペースのみ。
社食的な感じがありつつの平成初期な内装。そして海が近いからなのか意識しての水色な色合い。
渋い、渋いオブザイヤー。受賞。
そして船の写真も飾られている。これはターミナル横ならでは。
海のドライブイン的な要素もあり、やはり渋いとしか書けない。
お品書きは厨房の上にズラリと並べられている。
いや~安い!そして豊富だ。
丼ものが充実している。やはり海沿いだと魚より肉肉しいものが好まれるのか肉系が多い。
ハーフ&ハーフ…?謎なものもあるな。
カウンターには揚げ物ケース。そして厨房に牛肉がタップリ入った寸胴が見える。
牛丼か…恐らく、肉そばにもこれを使うのだろう…うぅ…こういう所のクラシックな牛丼は惹かれる。
牛すじ煮込み丼もある…もう完全にロードサイド飯だ。うわぁ…迷う。
だが、ハーフサイズがないな。そこまで食べれないから…うーん、まずはミニカレーにするか。
肝心なそばは…おお!?唐揚げそばがある…!?レアだ!即決!
早くも到着。
さてさて、そばから頂こう。
細身ながらも弾力のある田舎そば。あ、普通に美味いぞコレ。
良い食感と手繰り具合だ。もう既に美味い。
つゆは返しの効いた古風なつゆ。デパートの屋上とかで食べる、あの感じの味。
いや、クラシックで美味い。
唐揚げもいこう。
いや、デカいな。立ち食いそば探偵・笹郎の今日の手繰り~六杯目~で紹介した
そば処 新田毎以来の鶏の塊。
うん!美味い!
近年、色々な唐揚げチェーンが出てきているがそれとは違う、ワイルドで素朴な味。
しっかりとした下味とスパイシーさ。ワザアリ。美味い。
食感は硬めで繊維質が裂けていくあの感じ。昔、食べた唐揚げの味に似ている。
衣もつゆと馴染むなぁ。
唐揚そば自体、あまり食べてきた経験は少ないが…
その食べてきた中で一番の唐揚げそばはここだと思う。いや、断言出来る。
カレーも良い。ダシ感じるカレー良い。
カレーの濃さとダシ味で、しっかりと舌に印象を残す、そば屋なカレー。
普遍的だがレベル高いぞコレ。具が少ないのも立ち食い的でグー。
カレーがこの美味さだったら、牛丼も期待出来るな。
食べながら店内を見渡していると…ここ、缶ビールも置いてあるのか。
うわ、超呑みたい。このカレーと唐揚げで呑みたい。ここの雰囲気とも合うし。呑みたい。うわぁ。
普通は呑まないような所で呑みたい。
そして冷水機を見つける。あ、そういえば水、汲んでなかったな。持ってこよう。
ボタンを押すと勢い良過ぎて、コップの中から弾け飛ぶ水。
ワハハ!ここもクラシックだ!
ご馳走様でした!
山下公園近くのおしゃんてぇな港町に立ち食い処。
ロケーション、店、味、総合的に考えて…この立ち食いそば探偵シリーズNo.1の所。
はい、そうです。2回言います。ここがこのシリーズで1番のお気に入りの場所です!
96杯目 『そば・うどん 大和屋』
中延駅目の前、品川区中延にある大和屋にやってきた。
何度来てもいいなぁ。下町の雰囲気がある中延駅前。
近くには中延スキップロードという昔ながらのアーケード商店街もある。ここが情緒あって良き。
大井町線の他に浅草線も通っていたりと利便性もあり、とても住みやすい街である。
というか…
あぁ…開いてる…やっと入れる…!
1回目は定休日だと知らずに来訪。
2回目はコロナで臨時休業だと知らずに来訪。
3回目も臨時休業…。
4回目のトライでようやく開店している時に来れた。
そうなんです。実は取材の為、去年から笹塚から片道10㎞の道のりを自転車で来てたんです…。
でも、3回とも開いてなくて…うぅ…ようやく…食べる事が出来る…。
個人的に“幻の立ち食い処”になっていた大和屋。
訪れても訪れても開いておらず、それがずっと心残りでした。
今回で立ち食い探偵シリーズ最後。モヤモヤを残したまま、終われない…よし…。
意地でも食べてやる!!!
という事で4回目にして、ようやく行けました!パチパチ!
・げそかきそば ミニカレー
迷う。だからこそ迷う。
満を持して来た場所だ。ミスチョイスは許されない。
店内の壁にはズラリと並べられたお品書き。
うぁぁ、ミスが許されない時に限ってお品書きが豊富。
本来は嬉しい悲鳴をあげたい所だが、低い唸り声しか出ない。心の中でね。こりゃどうしたもんか。
そんな中、ピーマン天という珍しい天ぷらを見つける。これだ。
だが、カウンター上にある揚げ物ケースにはピーマン天が無い。
また低い唸り声を心の中で出す。
…いやまてよ、もう立ち食いも100杯近く食べてきた。今更うろたえる必要はないのでは?
と、突然冷静になった。
突然、何かが降りて来た。そばの神か。そうか、そばの神だ。ありがとう、そば神。
よし、ならば普段通りでいこう。普段通り、好きな物で。
『すみません、げそかきそばとミニカレーで』
げそかきそばが来た。
ああ、オーソドックスな関東立ち食いそばの見た目だ。いいぞ。頂こう。
お…?なんだ、このつゆの感じは…?
かえしも控えめ、ダシも控えめだが旨味タップリ感。
おお…?いや、普通の立ち食いのつゆだが、不思議な旨味感。妙に美味い。そう、妙に美味い。
色々と食べてきたが、明確にこれがこれで美味い!と明確に文章で書けるタイプの味ではなく
なんだかよく分からないが、漠然と美味いとしか書けなくなる語彙力キラーな優秀つゆ。
ほぉ、流石は名立ち食い処。いや、つゆだけ飲み進めてしまうな。
そばは立ち食いらしい、ゆるそばだ。
これでいい。うまつゆがよくそばに乗る。
そしてここで、天ぷらの美味さに気づく。
美味い…カリカリ食感とゲソの香りと味わい。そうか、これは揚げたてなのか。
その場で揚げている天ぷらは必ず美味い。裏切らない。
作り置きだとこの食感と味わいは生み出せない。
つゆで染みる前に頂きたい。美味しいうちに全部いっちゃおう。
喜びと共に旨味もジワジワ来る。
いや、これて本当に来れて良かった。
しかし天ぷらが良過ぎる。美味過ぎる。これ、ダブル揚げ物でもいいかも。
遅れてミニカレーもやってきた。
ミニなのにボリュームある所もニクい。
味は立ち食い処でしか味わえない、あのカレー味。
どこか家庭的で、どこか業務用で、どこか懐かしい、なんかもう色々と要素が感じ取れる、あの感じ。
癖なく、ササっと食べる事が出来る。
真っ赤な福神漬けも良き清涼剤になっている。
うむ、ご馳走様でした!
行けてよかった…諦めずいけてよかった…。
店の佇まい・アクセス・リーズナブル・味、全部良い。
97杯目 『西新井らーめん』
いや、そばじゃないじゃん。らーめんって思いっきり書いてあるじゃん。
いいんだよ。きしめん取り上げたから、らーめんが来たって。
同じ立ち食いだから。いいんだよ。
という事でしれっと西新井駅下りホーム内にある、西新井らーめんに来ている。
あぁ、そうだとも。これを食べる為だけに入場券を買って食べに来ているのだ。
というか…立ち食いラーメンだよ?!?!!
これは衝撃だよ!?
そばの片手間にラーメンをやっているんではなくて完全にラーメン専門の立ち食い処なんだよ!?
もうこんなん行くしかないじゃん?!!?
超激レア立ち食い処…。
都内唯一の駅にある立ち食いラーメンなんだよ…?ここにしかないんだよ…?
関東に範囲を広げると春日部駅に東武ラーメンがあるので、関東にたった2軒しかない
駅の立ち食いラーメンなのよ…?この希少価値の高さたるや…。
それに加え、この情緒ある外観よ。
レトロな雰囲気…リアル昭和…もうね、眺めるの必死で中々、券売機まで行けないの…。
というか開店してから15分くらいで、この賑やかさ。10時15分よ…?お昼前よ…?
さて、ワタクシもこの流れに乗らねば。どれ、食券機と睨めっこ。
うむ、ラーメン一色だ。全部ラーメンだ。ご飯ものはカレーがある。
ああ~キムチラーメンがあるなぁ。ロードサイド的で捨てがたい…。
が、ここはオーソドックスで…攻める!
・ワンタンメン
ワンタンメンをチョイス。
この字を見たら、なんだか今は無き、笹塚の福寿を思い出して。
流石、立ち食い。あっという間に来た。
おお~コテコテの中華そばたる、中華そばだ。
ナルトからメンマからワカメまで。小ぶりなチャーシューも“らしい”
ではスープから。
お~!これだ!愚直なまでの中華そばなスープ!
このお店から出てきて欲しい、理想の味。完璧だ。
コクのある醤油タレがいいな。風味と味わいがクラシック。
ぐわ~美味い!一口目から、美味い!これはこぞって食べに来るわけだ。
もうね、自然と胡椒をかけたくなる。
麺をすする前に胡椒を手にし、パパっと振る。よし、麺も行こう。
スープの色で茶色みがかった、固めな麺。そこに胡椒の香りと辛みとスープの塩味。
初めて食べるのに懐かしくもある。
うん、言う事無し。シンプルに美味い。
なんだろうな、至ってシンプルな味なのに癖になる美味さ。
初めて来て、初めて食べたのにもう癖になってる。中華そばって不思議だ。
そして雲呑。
皮だけかと思いきや、実は餡(肉)がちょっぴり入っている。
雲呑に関しては、ちょっとしたエピソードがある。
笹塚の福寿のおやっさんがワンタンメンを作る際のこだわりで
『雲呑は“雲を呑む”と書いてワンタンと読む。なので蓮華ですくった時
本当に雲を飲んでるようなイメージにしたいので皮だけの状態で提供している』
というのを聞いて妙に納得し、ワンタンメンばかり食べていた時期があった。
このワンタンメンを見ると、それを思い出すのよね。それで思わず頼んだのだ。
皮が重なってモチモチになっている所が美味過ぎる。
今では味わえない、あの食感がここで味わえる。
途中で胡椒を足しつつ、ズルズル。
なんだろう、久々に食に没頭しているこの感じ。
余計な事を考えずに、ずっとラーメンと向き合っている。
アナウンスの音と過ぎ去る電車の音を感じつつ、無心にすすっている。
健康に気を使って、基本的にはスープは飲み干さないようにしているのだが
なんだかここを離れるのが惜しく、空になるまでずっと飲んでいた。
ご馳走様でした!
どうにかして、後世に残したい味。
そして、なんだか個人的に不思議な場所であった。
立ちそばの企画なのだが…
正直、取り上げた100杯の中で、ここが一番って言いそうになる…そんな店。
雰囲気も味も全部好き。お近くの方は是非!
98杯目 『そば・うどん かずさ』
いや、うみほたるじゃん。うみほたるって思いっきり書いてあるじゃん。
いいんだよ。ここに立ち食いがあるんだから。
うそじゃないよ。いいんだよ。
なんだって?次はフードコートのそばを紹介するつもりだろうって?
いや、違うんだよこれが。立ち食い処があるんだよ。本物のね。
まぁ、1Fまでついてきたまへ。
ほら、あっただろう?
フードコートではない純粋な立ち食い処が。
そうさ、ここが…。
高速道路の路麺店だぁーーーー!!!!!
激レア立ち食い!!!いぇあ!!!!
日本で唯一かもしれない!!!高速道路上にある立ち食い処!!!!!
先程の立ち食いラーメンも激レアだが、同じくらいすごい!!!!!
…京葉道路の京葉市川PA下りには、そばを提供するレアな松屋があり
立ち食いスペースもあるのだが…
松屋は松屋だ!そば屋ではない!ノーカウントだ!
…はい、長くなりましたが有料道路の東京湾アクアライン上にある、海ほたるPAに来ております。
それではレア路麺を調査してみたいと思います!
む、店頭にお品書きがあるな。どれどれ…。
おお!地物を使ったそばがあるな!あさりかき揚げそばに鯛ちくわ天そば、あさりそば!
木更津あさり揚げそばなんてものもあるぞ。
あさりはここら千葉県沿岸部の特産品だからな~。
時期によっては木更津や富津の方で潮干狩りイベントが行われるくらい、貝類は名物となっている。
なんだ、ご当地情報配信も出来て最高のそば処じゃないか…。
まぁここは、あさりそばだな……あとは…牛丼かぁ。牛丼いいなぁ。
海員生協大桟橋店立ち食いコーナーでの牛丼の悔いが残っているので…牛丼もいっちゃえ。
ぬ…ミニサイズは…なさそうだな。
む…これだと中々の量だが…折角だから良いでしょう!
・あさりそば+牛丼
店内に入る。
中は現代的な装い。そして完全なる正真正銘の立食スタイル。
券売機があるので、そちらで購入。
トラックの駐車場が見えるスペースで待機。
いいなぁ。西新井ラーメンのように隣が別世界というのがいい。
海も見えず、殺風景っちゃ殺風景なんだけど、この感じが男の飯屋って感じで良い。
何だかんだで到着。
うわ!すごい!あさりでそばが見えないではないか!
牛丼も紅生姜とネギもどっさり。それでは頂こう!
あさりそばから。
まず、つゆを飲む。
………おおおお!!!!!
あさりのダシ感超満載!!!!!
旨味感、濃厚過ぎる!だが、それでいてクドさは無い。
というか返しの醤油があさりの味で制圧されているな。
完全に立ち食いのチープさは無い。ひたすらにめっちゃ美味い!
そばのつゆってレベルではないな…完璧にあさりのスープ…もはやイタリアンである。
あさり自体も美味い。
大きく肉厚で砂や磯臭さも無く、自然な風味と味わいのあさり。
いや、これは…凄いの見つけっちゃった感…。
そばの方は…。
む…あさりが…多くて…手繰り辛い…。そばが…出てこない…。
というか…。
そばに辿り着かないくらいの量だな!?どれぐらい入っているのだ!?
大分食べたが、中々メインが出てこない。いや、盛り良過ぎるよ!!!
もはや、そばが付け合わせレベルだな…。
そばは歯応えのある、しっかりめの田舎そば。
豊かなあさりの風味に包まれて、他には無い高級感がある。
完全に立ち食いの枠を超えて来たな…。あさりだけにアッサリと…。
すんごいそばが世に出て来たもんだ…。
立ち食いとしては高めの780円だが、普通のお蕎麦屋で食べると1000円は軽く超えるであろうクオリティ。
そのお蕎麦屋でも、この量のあさりはまず出まい。
しかも、本場のあさり…それをこの値段で堪能出来ると考えたら、圧倒的にリーズナブルとも言える。
あさりそばが凄過ぎて、置いてけぼりな牛丼。
実はこれも美味い。
甘めな味付け。これは平成な味付けだな。近代的だが、中々に真面目だ。
どのような状況下においても仕事は確実にこなす、そんな味だ。
揺るがない味の牛丼に対しての派手なあさりそばの対比…いいじゃない。
あさりそばは旅行先で食べた滅多に食べれない豪華な料理。
牛丼はそんな旅行先から帰った後の母が簡単に作った夜ご飯。
煌びやかな味と慣れ親しんだホッとする味。
そうだ、それだ。
旅行だ。このお盆の中には旅行が詰まっている。そして、その中で完結している。
そうか。今は私は旅行を食べているのか。
気づかないうちに私はとんでもないセットを産み出していた。
旅行セット。そうだ、旅行セット。私はこの組み合わせをそう呼ぶようにした。
海ほたるに行ったら旅行セットだ。そば・うどん かずさの旅行セット、オススメです。
たらふく食べたな…ご馳走様でした!
5Fへ行き、みーうーを見る。
ちゃっかり観光して帰るササローであった。
何もかもがあさりの風味に掌握され、あさりと化したそば。
好きな方はずっとこれしか食べなくなるヤツ。
ホント、貝類好きにはこのそばを食べて欲しい。
99杯目 『そば千』
ソバローは知っていた。あそこに路麺店がある事を。
ずっと気になってた。東神田付近の靖国通りを通る度に気になっていた。
年数に換算すると2年くらい気になっていた。
探偵業で市ヶ谷方向から錦糸町方向へと移動していた頃があった。
いつも反対側の道路からこの店が見えていた。帰る頃、寄ろうと思っていても閉まっていた。
こちらも中延の大和屋と同様に幻の立ち食い処になっていた。
そして、訪れる日が来た。
このお店を間近で見る日が来ようとは。
昭和が渦巻いている外観。レトロの渦だ。リアルな老舗。老舗の渦だ。
時を感じる本物のクラシック。クラシックの渦だ。最も高いと書く、あの2文字前に渦と書きたい。
野生の座椅子を餌付けしていたら、店に住み着いたんではないかと思うくらいの
座椅子の置かれ方がナイス。な椅子。もう訳わかんない事書き始めた。
こう見えても、まだ脳内で長々と語りながら店前に立ち尽くしている。
はよ入れや。
・おきあみ天そば
店頭にはお品書き。
定番物がズラリと書かれている。
このお店から提供されるゲソ天…アジ天…絶対美味しい気がする。
雰囲気補正もあり、より美味しい気がする。
なんて眺めていると、見慣れないものがあるなぁ。うん?おきあみ天…?
あ、釣り餌でよく使われるアレか。
釣り餌…って聞くと急激に不安を覚えるかもしれないが
実かコレ、佃煮などにして食べると美味い。小さいので殻ごと丸ごとで
普通の海老よりちょっとエビエビしていて美味いのである。そう、海老の渦である。
そんなおきあみが天ぷらに。しかも立ち食いに。
チープさとチープさがぶつかる瞬間。これコロッケそばよりいいのでは…?期待大だ。これにしよう。
店内は立食スペースのみ。狭くて薄暗く、情緒あふれる古き良き立ち食い処な内装。
渋さで言うと、歴代TOP3には入る。
おきあみ天そばを口頭で注文して待つ。すぐ来た。
年季の入ったカウンターに使い込まれた丼。これこそフォトジェニック。
早速、頂こう。
お、返し濃い目のつゆ。ロードサイドな味だ。ガツンと来る。
逆にこれくらいの濃さが良い。どことなく懐かしい風味もあるな。
そばは柔い、中太な立ち食いらしいチープそば。
このそばに濃い目のつゆが乗っかる。いや参った。美味い。
そして、おきあみ天をかじる。
ぬぬ…う、美味い…!
天ぷら由来の香ばしさとオキアミの香ばしさが一体となってやってくる。
クリスピーみのある、カリカリ食感もいい。主張の激しいエビエビな風味もいい。
そこにパワフルなつゆとゆるそば。完璧だ。完璧の渦だ。
あっという間に平らげてしまった。ご馳走様でした!
なんだろう、本当に昔から変わってないんだろうなぁという味。
100杯近く食べた中で、一番古風な感じがした。
今の時代に、この味を頂けるというのは実は貴重な事なのかも。
自販機そばのように時空を超えてその場に提供されたかのような、そんな感動を覚えたお店であった。
100杯目 『そば処 港ばやし』
100杯目を締めくくる一杯はここだと、ずっと前から決めていた。
立ち食いの原点にして頂点の場所。
秋田市土崎港中央、土崎駅内にある、そば処港ばやしだ。
ガキロー時代まで遡る。
お盆休みの最終日、笹塚に帰る日だ。
帰りの新幹線に乗る為、秋田駅に向かうべく土崎駅へやってきた。
一時間に数本しか来ない、奥羽本線。そんな余った時間で立ち食いそばを食べる事に。
猫生で初めての立ち食いそばだった。一度も食べた事のない食べ物だった。
大人達がこぞって食べていたので、子供が食べてよい物ではないという認識があった。
なに蕎麦かは覚えていないがママローがそばを注文した。
そこで、お店の方からお椀を渡された気がする。そのお椀に分けてもらい、ちょっと食べた。
親以外の大人に優しくされると、なんだかこっぱずかしかった思い出がある。
味は子供ながらもチープな印象を受けたのは覚えている。
美味しいかどうかは特に覚えていない。
ただ、熱々の湯気と醤油の味がした思い出のみ残っている。
あれから数十年。
一人で来れる年齢になった。
駅内は新しくなったがレイアウトは変わっていない。
待合所の方へ回り込んで見ないとパッと見、お店があるのか分からない、この感じ。
近づくと奥から茹でたそばの匂いがする。
そして、背伸びしながら立っていたカウンターが見えた。
新しくはなっているが面影は残っている。この雰囲気。そうだ、この雰囲気だ。
空気感だけは変わってない。
さて、あの時の味を再度、確かめようじゃぁないか。
・天玉そば+めかぶ
L字の小さなカウンター。そのカウンターの上には新しめの小さな券売機。
うむ、どれにしよう。
お品書きは見慣れたものばかり。
かけは270円という激安さ。いいねぇ。
ここは昔を思い出して…天ぷら、いや天玉にしよう。
あ、せっかく来たのだから豪勢にしよう。よし、めかぶだ。これを追加しよう。
到着。
見よ、天玉と多めのネギを。蒲鉾の鮮烈な色を。めかぶを。
贅の限りを尽くしたパワフル過ぎる一杯。それでも570円だから安いものよ。
小皿で分けられていたあの頃から、このような一杯を食べられるまで成長した。
ここまで育ててくれた親に感謝だ。
さて、頂こう。
うん、返しの効いた味わい。あぁ、こんな味だったっけ。
関東の立ち食いにはない、独特な醤油の風味。
懐かしい味に久々に会った友人に接するかのような照れ笑いをしたくなった。
手繰ると風味が舞う、ゆるそば。
ああ、ゆるそばで好印象を受けるのはここが原点だったんだな。
天ぷらはフワサクな食感。
いいぞ、微妙な厚みがチープで立ち食いらしさを演出している。
つゆが油味になり、一層深みが増してきた。
このタイミングで玉子を割る。うん!濃口つゆがマイルドに変化!美味い!
ここで、めかぶと一緒に。
あ、そうだ、初めての味だ。港ばやしでは初めての味か。
昔は食べさせてもらったそばの味。
今食べようとしているそばは今の自分が選択した新しい味。
そうか、ママローと同じような年頃になったのか。
自分の考えで行動し、自分で足でここまで来て、自分のお金でここへ食べに来ているのか。
当たり前の事だが、こんなにもか思うくらい猫生一番の感慨深い瞬間だった。
時間は確実に流れている。ちょっと泣きそうになった。
ツルツルが加速されつつ、磯の風味も共にやってくる。
そしてコリコリ食感。美味い。
最後の感想はびっくりする程、浅かった。
ご馳走様でした!
なんかここ来ると泣きそうになる。
画像見ただけでも正直、来るものがある。と、目を潤ませながら書いている。
何年経っても、母と店員の優しさと帰京する時のあの寂しい思い出の残影が未だに残っている。
如何でしたでしょうか?!!?!?!?!!
ラストはとにかく取材が大変であった…w
新和そばが超最寄りなので、一番助かりましたwww
はい、もう終わりです!
冒頭で書きたい事は書いたので、もう書く事ないです!!!
あとがきは短めで!
気になるお店はありましたか?行きたくなりましたか?
お腹が空きましたか?そばが食べたくなりましたか?
食から地域への興味を持つ…そんな感じのきっかけ作りが出来れば、ササローは本望です!
それではまた会う日まで!ズゾゾゾゾ~~!!!
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