笹郎(ササロー)のゆるゆるご当地コラム

笹郎(ササロー)のゆるゆるご当地コラム

東京都渋谷区笹塚の応援キャラクターの笹郎(ササロー)の
地域の魅力再発見!をテーマにご当地を紹介するエッセイ的コラムです。
たまに趣味のやつも。

右斜め+L+R+L+R+L+L+R+R+Aな視点でゆるっと紹介する
ゆるゆるご当地コラム…始まるよぉ!

おはこんばんにちは!思っているより四角いササローです!

皆様、いかがお過ごしですかな?

 

今現在執筆している、ご満悦な探偵シリーズで御座いますが

こちらもアクセス数が多くて…ありがたや、ありがたや…

 

そんなこんなで調子に乗って何カ月も書いておりましたが

さ~すがに飯ネタばかりだと、お腹が一杯になるだろうと思い…久々に!

趣味ネタを挟んでみようかと思います!

80'sミュージック、ユーロビート、AOR、G-RAP色々やりました…

そんな中、今回のテーマは…!?

 

ニュー・ウェイヴ/ポスト・パンクっ!!!

 

そうです!6年ぶりに80'sミュージック!シンセ・ポップやります!

 

しかも、良さが分かるまで時間がかかり、レビューであまり取り上げられない癖のあるやつ!!!

音楽聴きながらレビューを読んで!!!

是非とも、お腹を減らしてまたご満悦な探偵シリーズを読んでね!!!

 

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Black Sea

XTC

1980年

 

 

XTCの4枚目のスタジオアルバム。

玄人のレビュアーの方がよく名盤紹介で出してくるヤツ。

 

名盤と聞くとイメージするのは誰もが心地良さを感じる耳馴染みの良い音で

テンション上がる、外れ無しの一枚を想像するのだが

音楽好きの選ぶ名盤紹介は結構、初心者にとっつき難い

極まったものが選出される事が多々ある。

長年音楽を聴き続け、色んなジャンルを駆け回り、経験を積み重ね

また同じジャンルを5周くらいまわって、ようやく気づいたものだったりするからである。


なので培った経験を持つ者と、それを持っていない者の感覚はかなりズレており

初心者が好きなジャンルの名盤を探している時、その培った者の感覚を受け入れようとすると

あ…こ、こういうが名盤なのか…と、肩透かしを食らった感じになってしまう。

名盤と紹介されているのに、どこか腑に落ちない。

そんな“あれ?思ってたんと違う”の代表作がこのXTCのブラック・シーだと思う。

 

著者がニュー・ウェイヴを好きになったきっかけはハワード・ジョーンズの1st。

似たような感じのを求めて探した結果、このアルバムの紹介に行き着いた。

名盤と紹介されてはいるが、あのポップで滑らかな電子音楽の後に

変則的でうねる電子音に実験的な音楽性が詰め込まれたこの一枚は中々、理解出来なかった。

なのだが…

 

ブラック・シーの収録曲はどれもリフレインの部分が多く、そこが妙に耳に残るので

どことなく、また聴きたくなる中毒性があり、何回も聴き続けているうちに

奇抜なメロディーもアコースティックな部分も耳に馴染むようになってき始め

気づいた頃にはもうヘビロテしていたという。

 

今、これを聴いてアレだな~という方は時が経ったらね、またこのコラムにやっておいで。

 

 

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Reach The Beach

The Fixx

1983年

 

 

The Fixxの2枚目のスタジオアルバム。

 

もうジャケットが難解なプログレっぽい。

最初、名盤紹介で見た時、何だこれってなった記憶がある。

1曲目の One Thing Leads To Another がサイケっぽいロックな印象を受け

2曲目も3曲目も前衛的過ぎて、シンセだけどなんか違う!と、再生を止めた覚えがある。

 

それでも一通り聴き続け、インパクトあるメロディアスなシンセ・ポップは

Reach The Beach の一曲だけじゃないか!と、何だこりゃ!と思った同時に

AORのような、アルバムを通して一本繋がった不思議な“何か”を感じた。

 

ビルボードに載るような歴史的な名曲が入っている訳でもないのに

統一感と儚さと美しさがある、音の表現力にいつの間にか聴き入ってしまい

今ではヒューマン・リーグのデアー!と並ぶ、ニュー・ウェイヴの超名作に

分類されるのではないかと、こうして書くまでに好きになっていた。

 

突出したアルバムという感じでは無いのだが全体を包むグルーヴ感が非常に良く

一曲一曲抜き出して聴いてくと地味な印象だが

最初から最後まで通して聴くと何故か評価が高くなるという。

 

パッと聴いて、パッ理解出来る音楽だけが名盤じゃないんだな…と、教わった1枚でもあった。

 

 

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Boys And Girls

Bryan Ferry

1985年

 

 

Bryan Ferryの6枚目のスタジオアルバム。

ロキシー・ミュージックのボーカルのソロ・アルバムである。

 

80'sのニュー・ウェイヴと言えば300%の確率で

ロキシー・ミュージックの名前が挙がる程の絶対的アーティストなのにも関わらず

ソロアルバムはだけは全く話に上がってこない。

不思議なぐらい上がってこない。完全に埋もれちゃっている。

逆に埋もれ過ぎちゃってロキシー・ミュージックに似たバンドが居ないかなぁと

検索をかけて、お!この歌、かなり良い!似てるじゃん!声も!曲調も!

って、本人じゃんみたいな謎現象が起こるくらい。

 

全英アルバムチャートに入っていた割には地味な印象がある一枚なのだが

内容的にはロキシー・ミュージック史上、一番売れたアヴァロンに匹敵する内容だったりする。

 

シンセな音よりブライアン・フェリーの歌声が強調され

アヴァロンをセンチメンタルにアレンジしたかのような

哀愁のあるスムースなメロディーと共に歌われており

芸術的な部分を抑え、アクがなく透き通った聴きやすい内容となっている。

逆に従来のロキシー・ミュージックより、こちらの方が好きな人が

居るのではないかと思うくらいの出来だと思う。

 

これが好きならば7作目のベイト・ノワールもオススメ。

 

 

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Forever Young

Alphaville

1984年

 

 

Alphavilleの1枚目のスタジオアルバム。

 

ニュー・ウェイヴの大大大名盤なのだが時代が悪かったのか、こちらもやや埋もれがち。

1984年にはデュラン・デュランのセブン・アンド・ザ・ラグド・タイガーや

ヴァン・ヘイレンの1984やマドンナのライク・ア・ヴァージンなど

歴史に残るアルバムが発表された年ですからね…

 

実はこのアルバムなのだが

収録されている Forever Young がショート動画に使用され一躍人気曲となり

若い世代にも知られる存在になり、令和の時代に再評価されているアルバムだったりする。

更に2024年にはデヴィッド・ゲッタ&エイバ・マックスによるカバーもヒットしたので

もう、良さが分かるまで全然時間もかからないし、今更紹介しなくても…

と、思ったけど好き過ぎるので、やっぱり紹介させて欲しい。

 

とにかく全体的にシンセ・ポップのアルバムとしての完成度が高い。

一曲が突出したアルバムではなく、捨て曲がないハイクオリティなものだったりする。

ドイツのバンドということもあり、ネーナのロックバルーンは99ように

英国にはない、コッテリなシンセ度合いが非常に良く、チープさも垣間見えながらも

メロディアスに仕上がっており、時代を感じながら、音に没頭出来る魅力が詰まっている。

 

ほんと、これオススメ。

 

 

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Our Favourite Shop

The Style Council

1985年

 

 

The Style Councilの2枚目のスタジオアルバム。

 

純粋なニュー・ウェイヴかと言われれば、ちょっとアレだが

英国のバンドという事なので細かい事は気にしない。

 

ザ・ジャムを解散後にボーカルのポール・ウェアラーが結成したバンドなのだが

あの若々しいメロディアス・パンクから、まさかのリバーブのかかった

ジャジーかつファンクで、時にパンクとシンセを添えた、意欲さを感じる

この時代らしい音楽に変貌するとは。

 

1曲目は80年代らしいポップスから始まり、2曲目はまさかのボッサ調のバラード。

4曲目はちゃんとしたロックだし、5曲目はヴァイオリン響く英国風という。

おまけにインストゥルもあり、色々なスタイルが混ざった

まさに名前の通り、音楽の様相を評議会しているような内容となっている。

 

またこの時代には珍しく、一曲の長さが2~3分ほどと短く
上記の内容が矢継ぎ早に目まぐるしく展開され、まさしく議論しているかのようで

音楽の感想としては中々書かないであろう“聴いていて面白い”感じがある。

なので音楽への理解度が高い方ほど、このアルバムの評価が異常に高くなったりする。

 

リマスター盤だと、あの朝の番組でよく流れていた Shout To The Top も入っているので

是非とも聴いてみて欲しい。

 

 

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Real Life

Magazine

1978年

 

 

Magazineの1枚目のスタジオアルバム。

 

まさしく、ニュー・ウェイブでポストパンクど真ん中という一枚。

泥酔して今にも寝そうに歌うボーカルにちょいとローファイなバッキバキのベースと

けたたましいドラムに珍妙な電子音を合流させた、これぞという音。

 

ベースにあるパンクさもしっかりと抑えつつ、キーボードの電子音も上手い事調和させており

実験的な音ではなく、音楽として昇華しているのが評価のポイント。

単なるパンクとは違うぞという、次の音を確立させようという心意気を感じる。

なので今の時代に聴くと70年代後半の作品にしては、古さはありつつも

トータル的に結構先の音だったんだなぁと感じる。

 

ラーメンで例えると家系ラーメンに似ているな。

豚骨も感じるし醤油も感じるみたいな、元々ある物を組み合わせて、新しく作り上げた

新鮮だが、どこか馴染みがりつつも奥が深い…そんな一枚だ。

 

何だかんだで捨て曲も無いし、聴き応えあるアルバムなのだが、いかんせん取り上げられない。

やっぱり…ジャケットのデザインが妖怪人間ベラっぽく怖いから…?

 

 

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Candy-O

The Cars

1979年

 

 

The Carsの2枚目のスタジオアルバム。

 

4枚目の Heartbeat City があまりにも偉大過ぎて、ちょっと忘れ去られがち。

これもプラチナ・ディスク獲ったのにねぇ。

 

Heartbeat City は80年代の音楽性とカーズが見事にマッチした作品と言えるが

2枚目のCandy-Oは純粋なニュー・ウェイヴという感じで良い。

ポップ過ぎず、斜に構えたアーティスティックさが垣間見える所に“らしさ”がある。

 

上記で紹介したマガジンのように、絶妙な気怠さと電子音の組み合わせが良いのよね。

こういう感覚が新しいんだ!これが今後のスタンダードだ!みたいな、まさしく

ニュー・ウェイヴ/ポスト・パンクと呼ばれるに相応しい力が宿っている。

 

もがく!攻める!放つ!根柢のパンクさというか、表現への意気込みが無いといけない。
テンポよく、キンキンキャンキャンかき鳴らせば良いというものではなく

ベースとなる基盤があるからこそ、それが初めて音楽として表現出来る物だと思う。

そんな技術と革新を両方感じるのがこのアルバムではないか。

 

 

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Warp

New Musik

1982年

 

 

New Musikの3枚目のスタジオアルバム。

 

初期のデペッシュ・モードほど荒くなく、ゲイリー・ニューマンほど濃ゆくなく

トーキングヘッズほど難解ではない、ナイーブなディーヴォみたいな一枚。


完全にシンセ・ポップ好きホイホイな内容なのに注目されない。

アルバムを紹介した過ぎて、この記事を立ち上げたくらいの名盤なのに。何故だ。

 

1曲目の Here Come the People を聴いてみなさいよ。

表現したい音楽性を求めて過ぎて音の油絵みたいな、どういう感情で

向き合えばいいのか分からないニュー・ウェイヴ/ポスト・パンク結構あるでしょ。

それに比べてリズムも綺麗だし、分かりやすく、音の美味しい部分をリフレインさせるだけの

インストゥルメンタルなイントロよ。これだってなるでしょ。それなのに何故だ。

 

そこからの2曲目の Going Round Again に繋がる訳ですよ。

キュートでポップなのに、ちゃんとシンセ・ポップしているんですよ。

ボーカルのトニマンの声がまた可愛らしいんですよ。そうなんですよ、キュートなんですよ。

シンセ・ポップなのに何故か愛らしさがあるんですよ。それなのに何故だ。

 

え、何だって?

音楽性が尖ってて、聴いてみたら肩透かしを食らった感じになったって…?

それとジャケットが絶妙にダサくて、見逃されるから…?

私の感覚からしたら素晴らしいのに…何故なんだ…。

 

 

 

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