徳島県那賀町木頭地区で古くから作られている「太布」。
「コウゾ」と呼ばれる木の皮から作る布を見学しに太布庵に行ってきました。
火曜日しか開いていないので、行く場合には確認して予約を取った方が良いでしょう。
今回も夫に休みを取ってもらって連れて行ってもらえました。
想像していたより山の中で、途中ダムを2つ見送りながら曲がりくねった細い道をどんどん登っていきます。
今でこそ車で行けますが昔ならまさに僻地です。
前日の雨風の影響で春の嵐と言いますか、気圧の変化や何やかやでその上標高も多分高く、楽しみにし過ぎて体調はあまり良くありませんでしたが...
太布の製造技法は、2017年 国の重要無形民俗文化財に指定されています。
阿波太布製造技法保存伝承会の会員や地元住民らが、昔ながらの製法を脈々と受け継いでいます。
対応してくださった大沢会長のお話がとても面白く、気が付けば1時間も経っていたのがウソのようです。
大学の講義のようで、かなり前のめりになって伺っておりました。
古事記や万葉集、源氏物語にも出てくる太布、木棉(ゆう)の言葉のいわれや意味などもよくわかりました。
真ん中: 楮からはぎ取った繊維の束
向こう: はぎ取った繊維を木槌で叩いて柔らかく平らにしたもの。かなり白い
手前: 細く裂いて繊維にするが、屑の部分 (もちろんいただいてきました!水に浸けると紙になるそうですが、せっかくの資料そんなことはしません。) フワフワ綿のようです。
“らんまん”の牧野富太郎博士は本の中で木はわたにはならないと書いているそうですが、大沢代表はもしこのフワフワ屑を見たらそんなことは書かなかったことだろうと。
でも昔の人は知っていたので木のわた、つまり木棉、木綿と書いていたのだろうということで、読み方は「ゆう」
ゆふは「結ふ」からか? 全くの当て読み。
古くは神事に使われまさに神の紙、今でこそ神事は麻が使われていますが、麻よりも白い繊維のためのようです。奈良時代の歴史がお好きな方には爆ハマりです!
神事を司った忌部氏が多分麻ではなく楮を使っていたのではとか…マニアック!
楮から栽培して繊維にして布にしていく過程も写真でわかりやすかったです。
楮で着るものや帯を作っているのはここだけだそうで、もし欲しいと思っても繊維を作るところから始まり出来上がるまで1年待たないといけないそうです。うわー!
この半幅帯良かったなぁー
青いところは藍で先染めしたものを使っているそうで、浴衣とかに合いそう。
現在は、楮の原種ヒメコウゾと梶の交雑種が3メートルほどに成長するので、繊維として使いやすいので使っているそうです。皮と芯の間の緑色の靭皮を使います。
庵に原種のヒメコウゾが植えてあったので写真を撮りましたが、かわいいくて。
カビの生えないように1月に厳寒の中刈り取りから楮蒸しをするのですが、その時に行ってみたいですが体力のない私には厳しいかも💦
甑(こしき)の丈に二つ折りにした枝を束ね2時間蒸します。
机上の勉強だけでなく現地に行って、その場の空気を吸って自然を体感するとわかることが多いです。
今回も楽しくて、着物を着て訪れさせてもらったのですがどこに行っても褒めていただいて恐縮でした。
特に男の人の着物姿を見るのは久しぶりだと、、、
食事に行った所で何か催し物があって芸能人かと言われたり...そんなことあるわけないやろと 笑!
夫婦とも木綿きものです。
行けるうちはいろんな所に行きたいと思っています♪