どんどん歩いていく


わたし「あ!!!これは

美大生の好きそうな構図とモチーフ」


みきゆき「あぁ、滅びた文明とそこに力強く生きる植物の対比ね」


私「それ!!!なんなら既視感ある」


みきゆき「最近思うんだけど、そういうのって

どこもあって、通過儀礼なのかなって」


わたし「たしかにー!厨二病みたいに一度は、

体感して通過するものだよね


カタルシスみたいな」


私、ゴリゴリの現代美術を学んでいたので


制作の思考が基本的に社会派だった


繊細な社会派だった

自立したくて、超花形である百貨店展示を

死ぬ気で取り組んでいたところ


大学の先生が乗り込んできて


「あなたなんかが

こんな所で展示して良いと思ってるの?!」


と乗り込んできたことがある

以前もどこかに書いた



やっかみである


ひがみである


哀れである


愚かである



そんな小物相手に胸を痛める私は


どんどん社会派になっていった



もっと強くならねば


もっと説得力を持たせねば



どんどん絵が嫌いになっていった


描くことが苦痛でしかなかった



大して上手くもない、完売作家でもない

何がしたいのか、何がテーマなのかもわからない


中途半端な、ただ人間不信の私



新聞にだけは、努力のおかげで

どんどん載ったけど


何も実績には繋がらなかった



まぁ、結果的に

繋がらなくて良かったのだけど


心身ともにボコボコにされた私


アートの世界でしか生きたことなかった私が


もうどうにもならなくて

人間不信のまんま


勇気を出してシャバに出たら


想像以上の優しさに触れ


みるみると元気になっていった



みきゆき

「ほんと、元気になって良かったわ


昨日は1日、朝早く起きて倉敷行って

夜はプールで1時間も泳いだんじゃろ?


2年前は朝9時半に起きれなかった、

ゆうこちゃんが考えられんもん」



ゆきちゃん達と出会ったのは大きい

カウンセリングを学んだことも


そして勇気を出し続けたことも


何度も死にかけても諦めなかった

今の職場に感謝しかない



難しいことや繊細なテーマを

慎重に扱うのは大事なことだけど


それよりも大事なことがあると思う


自分の心の安らかさを優先していいと思う


まぁ大抵、外に意識を向いている時は

自分のことが大嫌いだから


仕方がないことなのだけど



ゆきちゃん、撮ってあげるー!

なんか合成みたいになっとるやんけ!!!


私も合成みたいになっとるやんけ!!!