リンダ:もー聞いてよ。今日のバイトったらひどかったのよ。
デイビット:どうしたんだい、リンダ。
リンダ:今日は火曜日で、新規の商品もいっぱい入ってくるって言うのに店長がポップを2枚も書けって・・・
デイビット:それは大変だね。
リンダ:でもそれだけじゃないのよ、なぜかお客さんもいっぱい来て。
デイビット:それは忙しかっただろう。
リンダ:ええ、もうお客さんなんて金輪際来なければいいのにって本気で思ったわ。
デイビット:いや、それはアルバイトとしてどうだろう・・・
リンダ:待って、今日話したいのはそんな事じゃないのよ!
デイビット:待つって何を・・・、そもそもこの話を振ったのはリンダだろう?
リンダ:聞いて!今日バイト先に凄い人が来ちゃったの。
デイビット:・・・・凄い人って?
リンダ:やんごとなき香りのするオジさま
デイビット:・・・・・・・・リンダ、僕たち一応外国人って設定の筈なんだから、難しい日本語を使うのはよしたらどうだろう?
リンダ:まず、やんごとなき香りってどんな香り?とか突っ込みなさいよ。
デイビット:結局は話したいだけなんだな・・・
リンダ:ほら早く!
デイビット:・・・・やんごとなき香りってどんな香りだい?
リンダ:この世のものとは思えない芳しい香りだったわ!
デイビット:・・・・・・結局どんな香りかは分からないんだね。
リンダ:・・・そんなに知りたいなら、もっと詳しく教えてあげるわ。
デイビット:そこまで知りたいとは思ってないけど
リンダ:アレは・・・そうね、お香みたいな香りだったわ。甘くて、さわやかで、絡みつくような・・・
デイビット:爽やかに絡みつく、ますます想像しにくくなってきたんだけれども。
リンダ:そう、例えるなら新しい扇子の匂い。
デイビット:ああ、分かる人と分からない人に差が生じちゃったよ。
リンダ:分かってもらえた?
デイビット:取り敢えず、君が新しい扇子の匂いが大好きであることは分かったよ。
リンダ:ありがとう、私のことをそこまで理解してくれるのはアナタだけよ。
デイビット:君にことを理解できる人が皆無だってこともよく分かったよ。
リンダ:じゃあ、明日は一緒にお花見に行きましょう、晴れてたら。
デイビット:雨だったら?
リンダ:ファミレスよ!
デイビット:・・・・・ハイハイ。