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第63回カンヌ映画祭が12日(日本時間13日未明)、


リドリー・スコット監督の「ロビン・フッド」で華やかに幕を開けた。



12日間の会期中、南仏のリゾート地は映画一色になる。



「アウトレイジ」で参加する北野武監督ほか、カンヌ常連の名匠や


気鋭の新作が集まる。


レッドカーペットの模様はフォトギャラリーで



開幕式当日昼、米国のティム・バートン、スペインのビクトル・エリセ両監督


ら、コンペティション部門の審査員が、世界の報道陣を前に和やかに


会見した。



が、秀作の中から頂点を選ぶ苦悩は日増しに強くなるに違いない。



過去に最高賞パルムドールを受賞した監督がふたたび、みたび、


同じコンペの土俵で賞レースに加わるのもカンヌの魅力だ。



1996年に「秘密と嘘」で受賞した英国のマイク・リーの新作は


「アナザー・イヤー」。



熱情やねたみ、友情が、穏やかな風景の中で交わる群像劇。



違法な中絶を施す女性の痛みを映した「ヴェラ・ドレイク」では、


2004年のベネチア映画祭で金獅子賞を取っている。




自殺の手助けを求める男を描いた「桜桃の味」で、「うなぎ」の


今村昌平と97年に賞を分け合ったイランのアッバス・キアロスタミは


ジュリエット・ビノシュら欧州の俳優を起用した新境地。



アイルランド独立闘争の黎明(れいめい)を映した「麦の穂をゆらす風」で


06年に受賞した英国の社会派ケン・ローチの顔も。




アジア勢では、韓国のイ・チャンドンが「ポエトリー」で参加。



孫と暮らす女性が詩作に目覚め、自身の内面と向き合う。



東京フィルメックスでなじみ深いタイのアピチャッポン・ウィーラセタクンも


登場する。



一方、「ボーン・アイデンティティー」のダグ・リーマンは、


ナオミ・ワッツとショーン・ペン主演で米中央情報局(CIA)を描いたという。



ハリウッドの娯楽系監督の存在は、映画祭のスパイスだ。




注目の北野武は「アウトレイジ」で十八番の暴力描写を全開。



自身は暴力団組長を演じる。三浦友和や椎名桔平、加瀬亮、石橋蓮司らの


芸達者がそろう。



一級品の面白さが過ぎて、ティム・バートンらの審査員に「賞向きでない」


と判断されなければよい。



北野は「今回はよくぞ選んでくれました、だよね。キアロスタミの映画と


オレの暴力映画が一緒に上映されるなんて、ちょっと笑っちゃうよね」。



「ある視点」部門では、ヌーベルバーグの旗手で今年80歳の


ジャンリュック・ゴダールの長編「フィルム・ソシアリズム」が目玉だ。



「のようなもの」「我々の欧州」「我々の人間性」の3部分に


分かれているという。



中田秀夫が英国で撮った「チャットルーム」も、同部門に参加する。