家で使う「家電」ではなく、職場や外出先で使える
電動歯ブラシやマッサージ機など、いわば「外電(そとでん)」の
市場が拡大している。
主な使い手は20~30代の働く女性たち。
デザインにもこだわった商品が、男性の同僚と同じ仕事をこなしつつ
身だしなみにも手を抜きたくない女心をとらえている。
パナソニックが3月に売り出した携帯用電動歯ブラシ
「ポケットドルツ」(店頭想定価格4千円)は年間販売目標50万台に対し、
すでに17万台を出荷した。
本格的な音波洗浄機能を備えながら手のひらサイズに納め、
静音性にも配慮。
キャップ付きで化粧ポーチなどに収納できる外観も受けた。
女性会社員の約7割が、昼食後など外出先で歯磨きするとの
調査結果をもとに開発。
狙いは当たり、購入者の大半が女性だ。
同社は30代前後の女性がオフィスで使う商品を強化しており、
3月に発売した低周波マッサージ機「ネックリフレ」
(店頭想定価格7千円)もその一つ。
ヘッドホンのようなデザインで、鮮やかなピンクやグリーンが目を引く。
首のコリをほぐす機能は強力だが、「ロングの髪の女性なら
付けていることさえ気づかれないコンパクトさ」で、
月4千台の販売目標を上回る売れ行きだ。
東芝ホームアプライアンスの「フェイス・アンド・ボディケアシリーズ」は、
まつ毛カーラー、ネイルケア、うぶ毛そりの3機種があり
希望小売価格は2625~3675円。
電池式で、機能を絞り込んだシンプルさが受け、販売は堅調という。
家電メーカーの女性社員は「お昼休みや夕方、
女子トイレの鏡の前の熱気は男性には想像できないほど」と語る。
「男性目線」で見落とされがちだった市場に、
スポットライトが当たり始めている。