3日前の、山手線車内で刃物を持った男がいる、と騒動になった件、実際は料理人のうっかりだったようだ。その日に店をやめた外国籍の料理人が、自分の包丁を持ち帰る際に、タオルにくるんだだけだったので、電車内でタオルが外れて、刃がむき出しになり、それを見た乗客がパニックになった。だが、うっかりなのか、これから人を切るつもりなのかは本人にしかわからないから、これは厳罰にすべき。うっかりではすまないし、料理人としても最低。

我々雅楽の演奏家も決して他人事ではない。篳篥 (ひちりき=雅楽の主旋律を担うダブルリード系の管楽器) の演奏家ならば蘆舌 (ろぜつ=リード) を削るために繰小刀 (くりこがたな) を持ち歩いている。これもフルサイズならば刃渡り12cmくらいはある。間違っても、ヒマだから、と車内でリード削りなんて始めないことだ。

今年も本格的な暑さになる前に、エアコンの掃除をした。２DKのマンション、エアコンは和室には大家さんが取り付けたものがあり、洋室は自費で取り付けた。洋室のエアコンは、洋室の広さの倍の能力で、これはエアコンが取り付けられないリビングまでカバーするためだ。洋室のエアコンが今年で17年目、和室は1度取り換えたので14年目くらいか。どちらもご機嫌に稼働している。

それもそのはず、腕に覚えのある私が、業者並みかそれ以上のクリーニングをしているからだ。和室は昨年やって、今年も先週に終わった。和室・洋室とも冬の暖房にはエアコンはほとんど使わないので、使うのは年に3-4か月ほど。それでも、クリーニングをかけると、黒い水が出てくるので、それなりに汚れているようだ。

洋室は昨年はやらなかったので、2年ぶり。2週間ほど前に、クロスフローファンだけはクリーニングしてあるので、今回は熱交換器の掃除。まず念入りに養生。防水シートをエアコンのすぐ下と、保険としてその下にもう一枚。私のやり方はエアコンから水が大量に落ちることはないので、防水シートにフェイスタオルを1枚載せて置けば大丈夫。前は、吸水能力が抜群のドイツ製タオル「シャムワウ」を使っていたが、最近は慣れてきて、普通のタオル1枚で済む。

使うのは、天然成分のマルチクリーナーが入った噴射式ボトル、スチームクリーナー、ジェット水噴霧器の3つ。作業手順は毎年書いているので省略するが、用意を始めて1時間後にはテスト運転出来た。カビや汚れがすっきりと取れ、ご機嫌に稼働している。最近は自動お掃除機能を搭載したエアコンも多いが、水洗トイレと同じで、掃除能力はたかが知れている。洗浄液→スチーム→ジェット水でピカピカになったエアコンで今年の夏も安心だ。

エアコンの掃除2023