昨日の雨は凄かった。ニュースでもかなりの大雨になると言っていたのでそれなりに覚悟はしていたが、台風の直撃ではなく、それに刺激された前線の活動、というので、多少高を括っていたところがあった。ところが、ニュースで各地の惨状が映し出されると、多摩川や荒川は大丈夫か、と心配になって来た。昨日の夕方と今朝、野良猫へ餌ヤリに行ったが、さすがに1匹も現れず。

夜中に区の防災無線が流れた。石神井川が氾濫する危険がある。避難所を用意した。該当地域の方は避難を。と繰り返している。これは、「令和元年東日本台風」と銘打たれた2019年10月の超大型台風並だ。幸い、決壊までは至らなかったが、今朝、石神井川を見たら、遊歩道が通行禁止になっていた。なんだろうと見ると、大きな木が倒れていた。遊歩道の太い木が倒れたのは、ここに住み始めて17年目で初めてだ。

上岡龍太郎さんが亡くなられた。享年81歳だそうだ。最初に上岡さんを見たのは、多分「鶴瓶上岡パペポTV」。鶴瓶の怒涛の話を「それがどないしたやねん」の一言で一刀両断にする、目つきの鋭いおっちゃんは誰だ!?と衝撃を受けたのを覚えている。その後、「探偵！ナイトスクープ」で、その目つきの鋭いおっちゃんが局長をしていて、解決法がいい加減の時は怒って「スタッフ、ディレクター、これでいいと思っているの!?」と怒って帰ってしまう姿に、関西には凄いタレントが居るものだとえらく感心したものだ。

それまでは関西ローカルの番組が主だったが、私が関西の番組を通じて上岡さんを知るようになった頃に関東の番組にも進出。イレブンPMの後番組「EXテレビ」では、1人で1時間しゃべり通したり、カチンと来る指示を出してくるディレクターを「犬」呼ばわりしたりと、全国ネットの番組でもその姿勢は変わらなかった。あの頃、一番好きなテレビ司会者をあげれば、一にも二にも上岡龍太郎さんだった。

その割に、それまで言って来たことをころりと替える人でもあった。「ゴルフなんか絶対にしない」「マラソンなんてやる奴の気が知れん」と様々な番組で繰り返し言っていたのに、後にマラソンもゴルフもドはまり。ゴルフに至っては、シニアプロを目指したほどだ。そのあたりの豹変ぶりも、はたから見ていて面白かった。20世紀の番組はまだタバコに対する嫌悪感はなく、パペポTVはよく喫煙しながら番組が始まったものだった。

そんな上岡龍太郎さん、私が夢中になって見ていた真っ最中に、「僕の芸は21世紀には通用しない」と言って、芸能界からスパっと消えられた。それはもう見事な消え方で、引退された後に見たのは、横山ノック氏の告別式の献杯で登壇したときだけ。調べると2007年、引退してから7年後のこと。歯切れのいい流ちょうなしゃべりは現役の時と少しも変わっていない。「…最後は被告人にまでなったノックさん」では、会場を大爆笑させていた。

死因は肺がんと間質性肺炎。先述の通り、パペポTVでもよく喫煙されていたが、それが死期を早めたのかも知れない。「巨星堕つ」「稀代の天才逝く」などと、マスメディアは報じているが、コンプライアンスや炎上にビクビクしている現在のテレビ界においては、ネット主流の社会の中で通用しづらい絶滅種だったのかもしれない。

「パペポTV」「探偵！ナイトスクープ(初期)」「EXテレビ」等、上岡さんの動画は数多くアップされている。だが、長年のファンだった私の一番のお勧めは、横山ノック氏の告別式の献杯の挨拶だ。5分ほどの挨拶の中に、上岡さんの魅力が存分に溢れている。「上岡龍太郎　献杯」でググれば見られる。

ともあれ、お疲れ様でした。上岡龍太郎さんに、献杯！

上岡龍太郎さんに献杯