肺の話 その4
今年もあとわずかになってしましました。皆様もお忙しいと思いますが、健康には気をつけてください。
ここでお話しているように呼吸とは、酸素を吸って二酸化炭素をはくことです。
肺が正常に機能していると酸素を取り込んで、二酸化炭素を排出できます。ところが、肺がちゃんと機能しなくなると、体に酸素を取り込む能力が低下したり、体に二酸化炭素がたまってしまう状態が起こります。
この状態は呼吸不全と定義されています。 こまかい数値については今回は省きますが、二酸化炭素がたまる状態はⅡ型の呼吸不全と定義されています。
呼吸不全をきたす病気で、最近特に患者さんの数が増加している病気で
COPD (chronic obstructive pulmonary disease)、日本語では
慢性閉塞性肺疾患という病気があります。
あまり耳慣れない病名と思いますが、日本で、この病気にかかっていると考えられる患者さん(推定患者数)が530万人以上と考えられています。皆さんも、この病気の啓蒙のための落語家の歌丸さんのポスターを目にしたことがあるかもしれません。
この病気の恐ろしいところは、先程説明した呼吸不全を引き起こし、命にかかわる状態になってしますことです。そしてその大部分の原因はたばこなのです。
この病気が進行すると、酸素が足りなくなって、二酸化炭素が排出できなくなり息が苦しくなってしまいます。その治療のために、酸素を吸ったり、体に二酸化炭素がたまらないように、二酸化炭素があまり出ない食べ物を摂取しねけらばならなくなる状態になってしまうことがあります。
二酸化炭素がでにくい栄養はなんだと思います。例えば炭水化物は名前のように、体に吸収されるとすぐエネルギー産生に使われて、二酸化炭素を出してしいます。
実は、脂肪が一番、二酸化炭素を出さない栄養素なのです。そんなわけで二酸化炭素が体にたまるのを防ぐには、脂肪分たっぷりの食事にしなければならないのです。
たばこを吸っているみなさん、想像してみてください。たばこを吸い続けて、COPDになってしまい、二酸化炭素がたまるタイプの呼吸不全になると、息苦しいのに加えて、食事は脂っぽいものを食べなければいけなくなるのです。
踏んだり蹴ったりみたいで、考えただけでも、ゲップが出そうですよね。
そうならないためには、予防が一番。つまりたばこを吸わないことがとても重要です。
笹本 修一