話せば辛~く、そして長~く、さらに暗~い説明になるのだが、手短にに申し上げよう。

転んだ、わし。
階段から転げ落ちた、わし。


「転んだ」っつーか、軽く5~6段は「落ちた」ね。いやむしろ「飛んだ」ね。
いやー、ありゃ見事な落下やった。清水の舞台からでもあんな潔く落ちられるもんちゃうで。
クララがいたら「おじいさん、私も飛べる」と夢と希望をアルプスの山々に叫んだことだろう。

解説しよう。
時は先週の土曜日。
アクビが2秒おきに出るほどつまらん合コンもどきの飲み会に参加していたM嬢。
花の命は短い。女子たるもの実りのない場は1秒でも早く退席すべきだ。

ということで、合コン開始早々バローロのフルボトルをこっそりオーダーし、
隣のブーをガン無視しながらひたすら高級ボトルをガン呑み。単独でガン呑み。
ボトルが空になったら「ちょっとお化粧室に・・」と微笑みながら、会計前にその店を立ち去るのがレディーの作法。
食い逃げ?ノンノン、小笠原流礼儀作法でも教えられているれっきとしたマナーなのだ、これは。

外にでるなり舌打ち一発。タイミングよくタクシーがするっとM嬢の足元に横付け。
こんなこともあろうかと、次に潜り込むイベントは既に仕込み済みなのだ。
リサーチに抜かりがないのもこれまたレディーの嗜み。

次のパーチー会場へ行く前には知人の女の子と待ち合わせ、ウォーミングアップのためにビールを一杯。
飛び入りなので趣旨があまり分かっていないものの、ノリだけで会場に向かった。

小洒落た会場には、予想に反して男子がわさわさいる。
花の命は短い。女子たるもの良さそうな男子がいたら1秒でも早くお近づきになるべきだ。
が、暗がりでは皆イケメンに見えてしまうのが鳥目の悲しい性。
自ら声をかけておきながら、男の顔が判明した途端「あ!今のナシで」的な非効率ハンティングも発生。

もうメンズに期待するのはやめて、友達の男性が連れて来ていた女子と意気投合して盛り上がりはじめた。
話しかけてくる男子に飲み物を取りに行かせては、ひたすらくだらない話でスパークする女子二人。
肩を組み交わし、酒を酌み交わし、互いにど突き合う姿は女子の衣を借りたおっさんそのもの。こりゃシュール。
最後には主催者の女性からお土産までいただき、「き、来て良かった~」と上機嫌なM嬢だった。

盛り上がりついでに他の友人含め、千鳥足の女子3人で某クラブに踊りに行くことにした。
さて、このクラブが凄惨な事件現場です。目撃者に当時の状況をインタビューしてみましょう。

客A「大木が倒れるような轟音がしたので振り向いたら、女子が頭から床に突き刺さるのが見えました」

客B「全身を使って階段のいたるところに当たってましたね。ある意味、中国雑技団級に器用でした。」

店員C「正直、・・・死んだと思いました」

店員D「死体が立ち上がって、急にフロアで踊りだしたんです。いやー、悪い夢を見ているようでした」

友人E「とっさに他人のフリをしました。けれど、別に悪いことしたとは思ってません」

友人F「パンツが見えてないことしか救いがありません。Mさんは女子の、いえ人類の恥だと思います」


・・・ま、ちょっとしたイリュージョンを披露してしまったわけだな。

しかしアルコールってコワい。
こんな状況であっても、私は愉快にダンシングし、異国人の団体に混ざり酒を呑み(=おごらせ)、
さらにはカワイイ男子の携帯番号をしっかり握り締めていたのであ~る。

が、もちろん夢は覚めるもの。アルコールもまたしかり

後日。
私のキャメロン・ディアスばりの美脚は、それはそれは鮮やかなパーブルに発色していた。
そして周囲からは「M、湿布くっせーよ!!」「傷口見せんじゃねーよ、気持ちわりー!!」と罵詈雑言の嵐。
おやおや、これがホンマの「腫れ物扱い」ってやつでんなあ・・・
とキレのないギャグを思い浮かべながら諸行無常を噛み締めるM嬢だった。

うーむ。アフガンの奥地でランボーと怒りの対決をしたほど強固なボデーを持つ私だが、
凡人がなるという「打ち身」という症状には勝てなかったようだ。

諸君、落とし穴って意外と近くにあるで。お気をつけあれ。