昨日は名古屋から出張で来ている仲良しの後輩の男の子とディナーに行った。

彼が大きな受注を決めたとかで、お姉さんは奮発して
西麻布の「リストランテ・キオラ」に彼を連れ込んだ・・・いや、連れて行った。

私は年次で言うと8年目だが、彼はまだ4年目のヤングボーイだ。
営業をやっている彼は、顧客への思いなどを少し青臭く語ったりする。
私は余裕の笑顔で頷きながらも、時折叱咤をするなどして程よいスパイスを織り交ぜる。

うーん、年下ってかーわーいーいいーー。M嬢にとっては何よりのオカズだ。

「この黒醤油(注:バルサミコソース)は、ご飯にかけたら美味そうですね」
などのズンドコ節も、嗜めることなく微笑ましく見守る私。

いやーん、若いコってかーわーいーいいーー。バルサミコ酢よりサワーなお発言、たまりませんなあ。

彼と同じ部署になったことはないが、新人の頃から彼は何かとMおねえたまになついていた。
「Mさん、Mさん」と尻尾を振って私の机の周りをうろちょろする姿は
「Mの飼い犬」と当時周りから揶揄されていた。(が、彼は気にせず嬉しそうにキャンキャン鳴いていた)

そんな彼は東京で楽しく仕事をしていたのに、3年目の時に円も縁もない名古屋という土地に突然異動になった。
仕事もノッてきた時だけあって、彼は発令が出た後に散々私に愚痴を垂れた。
「気の毒だなあ」と思いながらも、何の権限もない私にはどうすることもできず
ただただ酒をおごるしかなかった。

名古屋に旅立つ土曜日、朝の新幹線に乗るという彼につきあってあげて
朝まで渋谷で呑んでいた。
そしてカラスがわさわさしだした早朝、おもむろに彼はハチ公の前で泣き出した。

酔っていたこともあるだろうが、あんな街中で大の男(しかも彼は185cmもある大男なのだ)が
声を上げて泣いたのを見たのは初めてだった。

その時私が感じたのは「かわいそうに」。。。 。。。じゃなく!「かーわいーいいー」だった。

思わず彼の頭を撫でながら、心の中では「も、もっと・・・もっと泣いてええ」とSのM嬢は願っていた。

そんな彼も今はそこそこの中堅社員で、まさかキオラで泣くこともなく
M嬢とは普通の友達同士のように話をするようになった。
薄々感じていたが、当時はM嬢に淡い恋心なぞを抱いていたことも
ちくちくツツいて聞いちゃったもんねえ。やっぱかーわいいー。

ああ、青年よ。真っ直ぐ育てよ。
いや、その前に真っ直ぐ帰れよ。キミ千鳥足やし。ごめんごめん、ちょいと呑ませすぎたな。
でも私も呑みすぎたから、ココに君は置いてくわ。ぽい。東京狭いし、歩けばどっかには行けるがな。アデュー。