生命科学クライシス|白揚社 -Hakuyosha- (hakuyo-sha.co.jp)
アメリカの話
学術研究機関が時間とお金をかけて生命科学(医学薬学分野)の研究を行い論文を発表する。
その成果は新しい新薬や治療法につながるので製薬会社が、それをベースに研究を行い、臨床試験を行う。
でもおかしい。論文通りに実験したのに結果が違う(再現性が低い)。論文では効果ありと書いているのに、さらに研究をすすめたり、臨床試験を行うとどうも効果はなさそうだ。
もちろん臨床試験で必ず期待している結果がでるとは限らないが、なんでこんなことがおきる?
「効果を再現できない医薬研究、約90%
捏造や改ざんよりも根深い、科学のタブーを暴く
製薬企業が53件の研究を追試したところ、結果を再現できたのはそのうちわずか6件。
再現失敗率、約90%――」
なんでこんなことが起きるのか?どうすればよいか?な本です。
〇実験設計が甘かった、学術研究機関の論文
結論づけるには検体の数が少ない。実験群に比べて対象群の検体数が少ない(新しい治療候補等を施すのが実験群。その処置で本当に効果があったかを比較するためのものが、何も処置を施さなかったりする対象群)。
〇マットであてはまることが人間にもあてはまるか
〇実験試薬はロットが違うと同じ製品でも性能が違うかも
〇A細胞と思って実験に使っていたら実はB細胞だった(研究者の取違ではない)
〇学術研究機関で研究するには政府機関などから資金をもらってこなければならない。資金もらうには成果が必要。また研究者はまずは有期雇用、そして成果をだせたら無期雇用・終身在職。 有名雑誌に自分の研究成果・論文を掲載されるのが成果なら、まずは論文掲載を念頭において実験。結果の捏造ではないが実験計画や統計処理場不適切な実験(Pハッキングなど)。当初の仮説を支持するような結果が得られなかったら、得られた結果から言うことのできる仮説を考え、その仮説の検証を目的にしてこの実験をしたという論文を執筆
などなど。
どうすればよいか。
自分が何の目的でどのような実験を行うかを公表する。
実験の進め方に統計学者の意見をもっと反映させる
自分の論文の誤りを認めることをよしとする。
他