ロックバンドとマネジメント | 空堀ホイホイ

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もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら/岩崎 夏海



この本、表紙が苦手で読むの躊躇ってたけど、会社で話題になってて、マネジメントとは何哉?と思ってたので、読んで見ました。

読んですぐに思ったのはちばあきおの「キャプテン」

概ね、内容は被るんちゃいますかね。

弱い野球チームが如何にして強くなっていくか。

「キャプテン」ではとにかく、猛烈な練習と勝負に懸ける執念を最後の最後まで描き続けていた。

「もしドラ」は理論的に、冷徹にチームを分析し、それをポジティブに昇華させ結果を導かせていた。

どっちも面白いです。

素晴らしいのは、この物語で完結するんじゃなくて、実生活で実践してみたくなるとこです。

例えば、職場ですよね。

マネジメントと言う言葉になると、ちょっと畏まってしまうけど、多分、普段の生活の中で、みんな無意識に実践してると思います。

経営戦略とかの小難しいマネジメント論は他で色々語られてるので、この記事ではあえてそれを外して、このマネジメント論を、バンドで実践したらどうなるかと、考察してみようと思います。


成りあがり How to be BIG―矢沢永吉激論集 (角川文庫)/矢沢 永吉



じゃーん。

こちら、ロックの大御所、矢沢の永ちゃんの自叙伝。

この名著も立派なマネジメント論で埋め尽くされてます。

有名な話で、永ちゃんは、ライブの打ち上げでは、スタッフと真面目なダメだししかしてなかったらしいです。

きっとこの人も、経営者としての才覚があるんやと思う。

その日の観客の動員がどうであったかとか、次のレコードはどうするかとか。

で、これね、パンクのDO IT YOURSELFの精神ですよ。

自分たちの楽曲は自分たちで録音して、自分たちでプロモーションして、自分たちで手売りして、最近だとネットを駆使してかなりのことまで出来るようになりました。

そして、どういった人と協力して、商売にしていくのか。

バンドなんてね、自己顕示欲の強い奴ばっかり集まるから、海賊船に乗り込んであるかもわからない宝島を目指すようなもんですわ。

インディーのころまではギラギラした欲望を滾らせながら、勢いのいい楽曲と演奏でオーバーグラウンドしてきても、ギャランティーが絡むと途端に空中分解するようなバンド、たくさんいましたねー。

例えば、ガンズ(笑)

現存しているバンドで一番理想なんは、やっぱり、ストーンズやな。

ストーンズの「25×5」っていうドキュメント映画見たら、ほんと、バンドのチームとしての精度の高さが伺えます。

お互いのメンバーがお互いを補い合って、バンドとしてのアクシデントもバンドのステップアップに繋げれる。

やすきよの漫才にも通じるもんがあるな。

多分、この辺りの孤高な域ってのは、宿命とかが絡んでるんやろな。

で、われわれ凡人は彼らの爪の垢を煎じてでも、何かしら学習して、自らも成功できるようになにかヒントが欲しいんですよ。

僕はね、才能がどうとか、神様に選ばれたとかウンタラカンタラ言うような奴の話には興味が無いんですよ。

夢とか情熱とか。
 
寧ろ、拝金!って言い切ってる奴のほうが、いい。

それ即ち、欲望と言うより、病的な、執着心、やと思うんですね。

執着心。

バンドにどれだけ執着出来るか。

金儲けにどれだけ執着出来るか。

永ちゃんの場合は、自分で曲も作るし、歌詞も作るし、楽器もやるし、当然ステージで、歌います。

そのためには、彼の音楽を理解したバンドメンバー、スタッフ、レコード会社、イベント会社等が必要です。

矢沢永吉は矢沢永吉で在り続けるためにこれらを、マネジメントしてるってことです。

彼は、キャロル時代にバンドや音楽、業界について、はたまた人生や女についても様々な学習をしています。

その度に、まだまだこんなもんじゃない、と、さらなる追求を求めてきました。

矢沢永吉がこだわる3つ

1、レコード

2,ライブ

そして3は、、、




















































               ファミリー


これなんだなー、永ちゃんがファンを魅了し続けれる理由は(キャプテンの五十嵐風)

つまりね、僕はドラッカーのマネジメントは読んでませんけど、これ、追求していくと人生であり、愛であり、孤独であり、つまり、最期は、人、にたどり着くような気がするんですよね。

永ちゃんにとって最大のマーケティング顧客は、ファミリーだったんですよ。

それは普遍的な、人類共通の、愛の姿なんですよ。


キャプテンの谷口くんなら、夜遅くまで練習に付き合ってくれる父ちゃんであり。

もしドラのみなみにとっては親友の夕紀であり。

タッチの達也、和也にとっては、言わずもがな、浅倉南であり。

バンドでもね、メンバーの人生の背景が垣間見えると、なるほどと、切ないけど、じわっと共感してしまうもんなんですよ。

職場もそう。

  

先輩のバンドマンで、その人に目かけてもらったら皆伸びるっていう逸話を持った人がいたんです。

その先輩は、そいつがどうやったら一番伸びることが出来るかについて天才的に見ぬくのが早かったんです。

その先輩、まず努力なんかさせなかったですね。

とにかく、そいつにとってどんなバンドを聞かせたら一番覚醒するか、そいつがどんなプレイスタイルにしたら個性が発揮できるか。

で、褒めるタイミングが抜群にうまい。

貶すときは、とことん貶す。その時は、そいつがそいつじゃなかったから。

 


ココまで書いて気づいたんですが、別にマネジメントとか、そんな括りとかどうでもいいわ。

多分、みんな、知ってるよ。

やってみて、失敗して、また、這い上がる。

この繰り返し。

人の数だけ、マネジメント論が、ある。