僕たちは毎朝生まれ変わって、毎晩虹を描いて眠りに就くのだ | 空堀ホイホイ

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先日、仲の良かった友人から久しぶりにメールが届いた。

なんでも、原因不明の脳腫瘍が見つかり、15時間にも及ぶ手術を受け、現在入院中であると。

俺はメールのやり取りではなんなんで、後でゆっくり電話するとメールで返事した。

しかし、友人は、メールでお互いの現状が確認できただけでいいから、と返事してきた。

俺は、彼がひょっとして、脳の手術なだけに、何かしらの後遺症が残っているのかもしれないと察した。

彼には今月、第2子が生まれるようだ。

女の子らしい。


彼は、11月にまた手術を受けるようだ。

まだはっきりとした詳細は分からないが、仮に彼に後遺症が残っていたら、俺はどう対応すればいいのか。

お見舞いに行きたいが、もし彼がそれを拒んだら、後遺症の残った姿を見せたくないと言う事かも知れない。

しかし、彼が今の現状を報告して来たということは、何かしらのメッセージがあるのでは。

等々、様々な憶測で頭の中がいっぱいになっている。

もちろん、全て俺の思いすごしで、入院中に暇でメールしてきただけかもしれない。

先程、何人かの友人にこの事について、彼から連絡が無かったかと聞くと、今のところ誰も連絡は無いと言い、このような心配を伝えると、思い過ごしやろと、なだめられたが。


彼は、ロック好きである。

彼の名言がある。

ピロウズの大名曲「アナザーモーニング」と「ハイブリッドレインボウ」について。


僕たちは

毎朝生まれ変わって、

毎晩虹を描いて

眠りに就くのだ






当時の俺達は、ロックにしがみつき、見えない明日に怯えていた。

あれから年月は過ぎ去った。


彼はメールのやり取りの中で、普通の幸せって何処にも無いもんだな、と送ってきた。

俺はその返事に半日かかってやっと出た言葉が、

人間、生きてこそ。



これが精一杯だった。

俺は無力である。



彼は、あの日の言葉を憶えているだろうか。

僕たちは毎朝生まれ変わって、毎晩虹を描いて眠りに就くのだ


俺はこの言葉に励まされ、今日までやって来た。

俺は彼に、それを伝えなければならない。