以前働いていた職場にワールドミュージックに詳しい方がいたんです。
その人自体もインドのタブラーやってたりして、関西の打楽器界ではそこそこ知られてる方やったんです。
で、音楽のネタ探しにめっちゃ貪欲で、当時やとブラジル音楽なんかもかなり詳しく、いろいろ聞かせてもらったんです。
で、この人の事は今でもめっちゃ尊敬してて、たくさん良い影響を受けました。
この方には音楽と思想が同居してたんですね。
面白かったんは、この方がインド音楽やってるから周りの人たちからいつも
「本場のインドに行って勉強されないんですか?」
と聞かれる度に
「僕はあくまで日本人であって、インド人になりたくてインド音楽に興味を持ってるんじゃないんです」
と言って、いつも喧嘩してましたね。
この人が理想とするのは明治時代から大正、昭和初期辺りの日本文化と西欧文化の絶妙な融合なんですね。
例えばこの人がよく言っていたのは
「大正時代の消防団員のはっぴがね、めちゃかっこいいんですよ」
て言ってました。
そして一番よく話されていたのが、震災の時のソウルフラワーもののけサミットでした。
当時、あのタイミングで、チンドンとか昭和歌謡を被災地で演奏し、ニュースなんかでも取り上げられてました。
この人の彼らへのリスペクトは嫉妬に近いものがありました。
さっき書いた、「戦後日本における音楽と思想の同居の極み」としてよく熱心に話されてて、僕もかなり影響を受けました。
さて、そんなこの方が密かに育てているネタがありました。
それは「盆踊り」でした。
これは思わぬ処から音楽的接点を持ったようで、この人が以前、戦後の日本が今だ漂う三宮の高架商店街を夕暮れ時に歩いていると、商店街の中古電気屋から爆音で演歌のようなムード歌謡のような、はたまたファンキーな盆踊りのような音楽が聞こえてきたんです。
思わず店に立ち寄りそこの店主に「この音楽誰?」と聞くと
「エチオピアンロックやで」と教えて頂いたらしいんです。
アップしたのを聞いていただくと判ると思うんですが、エチオピアの人の歌い方って、コブシが聞いてるんですね。
それから、リズム感が間違いなく、盆踊りや河内音頭なんです。
だからはじめて聞くとこの摩訶不思議なグルーブに笑けてしまうんですわ。
「なんじゃこれ」て。
この人はこのエチオピアの音楽を聞いて「これや!」ってなったんです。
で、更に話を進めると、この人に元祖陰謀論者の宇野正美のビデオを見せられたことがあるんです。
僕はその内容に完全にひいてしまったんですが、この人は
「ごめんごめん、こんなん見たら誰でも引くやんね。僕はこの宇野正美さんの声のかすれっぷりがツボなんですわ。ほんでこの胡散臭さね。日ユ同祖論に匹敵するくらいの胡散臭いメッセージを掲げた音楽か何かをやりたいんよね」と語っていた。
ていうか、それって完全に笑かしにかかってますよね。
この感覚がこの人のセンスであり、呆れながらも脱帽させられ、影響を受けさせていただいたところですわ。
以上を踏まえてこちらをご覧頂くと、少しコミカルに見えます。
確かに、ええ声の嗄れっぷりですね。
因みに以前勤めていた印刷会社でこの宇野正美のエノクの会の冊子を刷っていました。
新刊が出る度に毎回世界の終わりのような見出しが表紙に躍っていましたね。
さてさて、話が随分逸れました。
と言うわけで本日の結論は
日本人のルーツはエチオピアであると。
こんなもん言ったもん勝ちである。
どっかの公園で、盆踊り踊りながら、日エ同祖論を語る会でもやりましょう。