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田中宇氏は今一番信頼できるジャーナリストだと思います。
この著書の最後に、最近の日本の若者からは覇気が感じられないが、現在進行中の米中の逆転が彼らにとって好転するいい機会だと記されています。
この著書、並びに田中宇氏の一貫したジャーナリストとしての姿勢はこの現代日本の覇気のない若者たちへの熱い眼差しとメッセージだと思うのです。
戦後から今日まで継続される対米隷属によって日本の庶民は独自の思考を奪われ、閉塞感溢れる日々を過ごしながらも目の前の虚楽に惑わされ、危機感を抱けずにいる。
現在、お隣りの国「中国」及び「ロシア」はお互いをビシネスパートナーとし、極東シベリアの油田開発を共同で行い、これからは石油の輸入を中東や西欧諸国に頼らなくても済むようになる。
日本は蚊帳の外である。
ココ数年、BRICSと呼ばれるブラジル、ロシア、インド、中国が今までのアメリカ、及び西欧諸国にとって変わり、これからの世界経済を引率していく流れが既に始まっており、日本は些か出遅れた感がある。
その大きな要因は未だに続く対米隷属、即ちアメリカの属国として日本は独立国では無いということ。
隣の国でかなり美味しい油田の開発事業の話があるのに日本は参加出来ずにいる。
それは何故か。
アメリカの意向に沿わないからである。
アメリカは日本が中国やロシア、並びに韓国、北朝鮮とも仲良くされるとアメリカが儲からないから困るのである。
石油はアメリカのロックフェラー経由で無理矢理買わせる。
それ以外の選択は陰謀を企んででも阻止される。
田中角栄がいい例。
この著書ではっと思ったのはロシアのプーチンに対して僕自身物凄いネガティブなイメージを抱かされていたことだ。
恐らくそういう人はかなり多いはず。
著書によるとプーチンはかなりの剛腕でソ連崩壊からのロシアを立て直した。
プーチンはそれまでの世界のソ連のプライドにこだわらず、政策や外交、ビジネスをそれまで関係が不安定だった隣国の中国に学んだ辺りが素晴らしい。
プーチンは西欧諸国からは恐れられている。故に西欧諸国のマスコミは彼にネガキャンを貼る。
どっかで聞いたことある図式ですね。
そう、日本の小沢一郎と重なるんです!
全てがそうでは無いが、この著書でプーチンを小沢一郎に置き換えると実に面白くなるのだが、反面痛烈な虚しさにも襲われるのである。
日本は何やっとんじゃい!
って。
ソ連が崩壊してから10年経ってようやくプーチンが現れる。
これも日本に置き換えると背筋が凍るような未来が予感される。
仮に来年アメリカが破城し、その影響が日本にも押し寄せ、リーマンショックどころの騒ぎではない大不況になったとしよう。
失業者も増え、生活も不安定になるだろう。
各種保険も払えず生活保護を受けなければいけなくなる人もかなり増えるだろう。
そんな状態が10年続くとして、さてその10年後、ロシアのプーチンに匹敵する政治家がこの日本に現れるのだろうか。
小沢一郎はその頃には70超えてるんかな。
心臓の持病を鑑みれば高齢での首相はかなり難しい。
つまり、これから10年賭けて日本人が鼻っ柱を折るくらいの痛手をおって
「あー俺たち今まで政治家にもマスコミにもアメリカ様にも騙されてたんだー」
と気づいたところで、さて、この国を再建できるだけの人材が育っているのかということだ。
俺は6月の鳩山元首相の辞任会見を見ながら、いよいよ最悪のシナリオを常に頭に入れて置かなければいけなくなったなと覚悟を迫られたような気がしている。
案の定先の参院選の結果である。
また日本の改革は遅れようとしている。
次の衆院選の時には俺はもう40だべ。
はっははは。
もう終わりだ。
世界の大きなウネリを指を咥えて見ているだけしか出来ないのか。
もし国策として
「集え、極東油田を君の手で掘り起こさないか!」
という求人があったらおれは迷わず目をギラつかせて応募したい。
男ならスケールの大きな仕事に関わってみたい。
海も越えてみたい。
西洋文明にはもはや興味は持てない。
やはりこれからはアジアの時代だ。
それはもう既に日本以外で始まっている。
このままでは日本は最後までアメリカの奴隷のままだ。
漠然とした期待や希望を抱かせてくれた著書だが、同時に牢獄の中にいるような日本に嫌気がさした。
しかし、この著書に記された情報を交換しながら一緒に酒を交わしながらバカでかい夢を語れる同士が欲しいと思った。
日本脱出計画開始だ。
最後に。
日本は沖縄から覚醒すると田中宇氏は唱える。
そしてその余波は橋下知事の大阪に訪れるという。
これは地方分権策はナニワの体質に合うからだと解く。
ココ数年の大阪、特に心斎橋はアジアからの観光客でごった返している。
ミナミを歩いていると聞こえてくるのは中国語や韓国語が殆どである。
大袈裟ではない。嘘だと思うなら心斎橋筋商店街を歩いてみるといい。
現在、大阪は観光都市としてビジネスチャンスが転がっている。
これを足がかりに何かやってみたい。
橋本さん、頼んまっせ!!
(去年、橋下知事が小沢元幹事長の元へ陳情に訪れ、その際話された内容は大阪アジア化計画だ!多分)
世界の変化をどう受け止めるかは、あなた次第だ!
(前向きな気分で終われた)