下北ギターロックシーンを回顧する⑥ | 空堀ホイホイ

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太陽は夜も輝く/WINO

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兎に角最後までオアシスと比較され続けてたWINO.

吉村君の歌唱力への評価の裏返しとも言えるが、今も現役でWINOが活躍されてたらピロウズと互角な対バンイベントを企画して欲しい。

90年代終り頃に下北シーンに集ったバンドマンからは良いお手本であり、標榜とされるバンドであった。

まずUKギターロックの新たな世代の解釈として、完全に邦楽にUKロックを血肉化し、洋楽に対するコンプレックスをポジティブなリスペクトへと昇華し、自らもロックのフォーマットの中で苦悩する姿を曝け出した。

つまりサウンドの追求のみでは唄は伝わらない。

彼らは洋楽に近づく以前に自分たちであろうとした。

このスタンスは当時のメジャーシーンでは稀で、その精神性を持続させながら作品を創造していくにはまだ日本ではなかなかオーバーグランドしにくかった。

WINO程の実力があればレコード会社の意向にそったシングルを制作し、ヒット曲も狙えたかもしれない。

先日記事にしたスパーカーなんかは理想的な創造過程であったと感じる。

当時の同期のバンドで現在も活躍しているくるりなんかもそうである。

そんな中で今、WINOを聞き返してみると彼らは解散してしまったが、やはり非常に優れたロックバンドであり、名曲を残していることに今更ながら気づかされる。

解散間際になってようやく光を見つけたのか。

それとも光に晒される事に躊躇しなくなったのか。

彼らの楽曲を聞く人其々が感じるのだろうけど、矢張り惜しいバンドをなくした。

ハンター×ハンターを見て育ったコ達がWINOの曲を口ずさみながら大人になった今、彼らにロックはどう聞こえているのか。

WINOは早かったんだろうか。