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毎年大阪第一ビル辺りの桜は咲くのが早い。
今年も既に狂い咲きしている。
恐らく地下の空調の排気口のせいと思われる。
道行く人は桜の木を二度見し、「
」となって狂い咲きの桜を見上げる。度々記するが、この時期の我が心情は切ない。
バタバタした街の空気に苛立をおぼえ、次から次へと煽ってくる全く無用な情報に惑わされまいと心を閉ざす。
淡々とこなす毎日に疑問は無いが、矢張り何処かで刺激を求めている。
少なからず叶えた夢もあったかもしれないが、最早ここまでと線を引いたままの事も、ずっとある。
俺は明らかに年を重ねた。
灰の中の芯はまだ熱いか？
錆びついても変わらないものは？
狂い咲きの春に何を探している？