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昔ジェームズ三木が女性遍歴を日記に記し続けていたのがワイドショーを賑わせた。
周りの知人男性にもやたらと自身の女性遍歴を披露したがる奴がいる。
こういう話は聞かされだすと「へー」とか「すごいねー」としか答えようがなく、実に億劫な気分にさせられる。
しかしそんな話をしだす男たちの裏側の闇は実に深く、切ない。
以前、村上春樹の「ノルウェイの森」を毛嫌いする女性と口論になった。
彼女曰く「あの作品はいかに作者がモテるかということを書いただけ」と一蹴した。
そうだろう、きっとそうだ。だからこそ彼は作品にしたのだろう。しかし一番欲しかったものは手に入らないのだ。
それは日本文学史において女性の視点から描いた紫式部の「源氏物語」からずっと一貫したテーマなのだ。
男は切なき生き物なのだ。
母性への憧れと希求が男たちを生かすのだ。
田辺マモルの「プレイボーイのうた」は涙と笑いでそんな男たちを描いてみせた稀有なシンガーソングライターだ。